「インスタントラーメンに魅了された子供時代」
昭和生まれの人なら、こんな言葉を聞いて違和感を感じないでしょう。
ほとんどの人は、子供のころに袋入りのインスタントラーメンやカップラーメンを食べたことがあるはず。
今やインスタントラーメンは世界各国で販売され、世界中での売り上げは年間1000億食を超えるほどの一大産業です。
ちなみに世界のインスタントラーメンの消費量はこんな感じ
(https://instantnoodles.org/jp/noodles/report.html)
2017年現在、一人当たりの消費量がダントツで多いのが韓国ですが、総需要でみると中国がダントツです。
そりゃ人口が多いですからね。
あとは、日本もそこそこ上位に入っていますね。
ところで、数多くのインスタントラーメンを販売する企業はありますが、その中でも日清食品のチキンラーメンは世界初の即席麺でした。
日本がインスタントラーメンの開発国であるということは、結構多くの人が知っています。
ちなみに、チキンラーメンが販売されてから、2018年が60周年だったんです。
この日清食品ですが、実は台湾ととても深いつながりがあります。
世界初のインスタントラーメンを開発、販売をしたのが安藤百福で日清食品の初代社長なのです。
…あれ?なんだかこの話聞いたことあるなぁって思った人いませんか。
2019年、NHKの朝の連続ドラマ小説「まんぷく」が佳境に迫ってきています。
ドラマの「萬平さん」は安藤百福をモデルにして構成されているんです。
ドラマの主役は奥さんの方ですがね。
安藤百福は台湾人だった!
実はこの安藤百福は台湾人の両親を持ち、台湾で産まれてのち、1966年に日本国籍を取得した人なのです。
台湾国籍の時の名前は呉百福でした。
安藤百福は実業家で様々な会社を設立するなどして事業を展開していきました。
一番初めは台湾で1932年に繊維会社を設立して、事業を成功させています。
インスタントラーメンの開発のきっかけは戦後の日本にありました。
食糧難に見舞われた戦後の日本は飢えとの戦いでした。
その時に、安藤百福は「第一に食」だと改めて思ったそうです。
そして闇市で行列をなしラーメンを食べている人々がとても印象に残りました。
後に、一念発起して、家庭でも手軽においしいラーメンが食べられるようにと作り出されたのがインスタントラーメンなんです。
安藤百福のおかげで家庭での食事の用意が楽になったことは言うまでもありませんね。
そして、学生などは安価で手軽に作れるインスタントラーメンに助けられている人が多いです。
カップヌードルミュージアム
横浜と大阪の池田にはカップヌードルミュージアムという場所があります。
日清食品が自社のチキンラーメンとカップヌードルを対象として様々な展示を行っています。
また、インスタントラーメン制作秘話など安藤百福がチキンラーメンの開発研究に使った小屋を再現するなど、いろいろと学ぶことができます。
しかも、ここではチキンラーメンを一から作ることができる体験教室や、味付けとトッピングを選べて作れるオリジナルのカップヌードル作りができます。
子供から大人まで楽しむことができる施設なので、時間があったら行ってみると面白いですよ。
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台湾夜市で遭遇できる?インスタントラーメン屋
観光で士林夜市を訪れ、ブラブラと見てまわると、「方便麺」と書かれた屋台を見つけることができるかもしれません。
お腹がすいた時に行けば、漂う香りが足をかってに動かすかもしれないです。
台湾夜市の独特な灯りは、異国のお祭り気分を高めてくれますね。
お店のおばちゃんに注文すると、出てくるのがインスタントラーメン。
台湾旅行でのせっかくの一食がインスタントラーメンかよ~ってなるかもしれませんが、外国のインスタントラーメンを食べたことがない人には新鮮かもしれないです。
ちなみに「方便麺」とはインスタントラーメンのことです。
たかがインスタントラーメンなんですけど、具材をトッピングされて提供された商品は美味しい。
10卓くらいある席も、台湾の若い子たちで満席。
日本じゃあまり考えられないような商売ですが、人気があるんですね。
夜市に行くくらいでしか、短期間の滞在では外国でインスタントラーメンなんて食べないですよね。
でもね、その国の味ってやっぱりあるんですよ。
日本との違いがあって、最終的には満足している自分に気付くでしょう。
世界の発明展に出品
安藤百福のインスタントラーメンは日本国籍を取得した後だったので、日本の発明となっています。
しかし、安藤百福以降も多くの台湾人も新しい何かを作ることに頑張っています。
世界には大小さまざまな発明展などがあります。
そのようなイベントに台湾から多くの作品が出品されて評価を受けています。
世界知的財産権協会が主催する大会には2014年に、22か国から選ばれた発明家のうち台湾の鄧鴻吉さんも表彰を受けています。
また、日本ではドクター中松氏が主宰する「世界天才会議・国際発明展」が毎年開催されますが、国別の評価で台湾は毎年いい成績を収めています。
出品された中には諸外国から権利の購入を打診されるものもあるようです。
不便こそ勝機
発明のほとんどは現状の不足や不便といったところから、アイデアが生まれて、それを具現化しています。
私たちの生活はその積み重ねの上に成り立っているのですね。
当たり前のことが実は当たり前ではない時代があった。
本当に発明、そしてそれを可能にしている技術に感謝です。
安藤百福が作ったチキンラーメンは2018年にドラマの後押しも受けて、史上最高額を売り上げたそうです。
安藤百福の発明は現代の私たちにも恩恵をもたらし続けているのですね。
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