LGBTと聞いて言葉の意味を理解できる人はどれだけいるでしょうか。
あなたはわかりますか?
LGBTとは性的少数者を表す言葉です。
L(レズ・ビアン、女性同性愛者)
G(ゲイ、男性同性愛者)
B(バイセクシャル、両性愛者)
T(トランスジェンダー、性同一性)
の頭文字を取って組み合わせた表現です。
性に対する考え方というものは、人それぞれです。
人それぞれだからこそ、他者の ”性” への言及は慎重になるべきことでもあります。
日本では・・・
LGBTについては、日本でも近年では、ニュースなどで耳にする言葉になりました。
特に2015年の渋谷区が定めた条例である
「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」
は大きなインパクトがありました。
これにより、同性間の結婚に相当する関係を認める「パートナーシップ証明書」が発行されることになり、第一号として女性のカップルが証明書の発行を受けました。
このようにして、日本では徐々に他の都市や企業などでも同性のパートナーに対する待遇が変化しつつあります。
開かれた台湾
LGBTの権利等がこれまでの社会の考え方からはなかなか受け入れがたいとされます。
それは、各国の様々な場所でLGBTが議題に上ること自体が証明していると言えるでしょう。
1990年代、アメリカ・サンフランシスコでは窓に飾られたレインボーフラッグがとても魅力的に映ります。
性的少数者が自分の存在をアピールしているのです。
まるで、多大な人種で作り上げられているアメリカを象徴しているようです。
そんなアメリカでもサンフランシスコのように特定の都市ではLGBTの人たちにも住みやすさがある一方で、他の地域では未だに偏見は根強いという意見もあります。
それでは台湾ではどうでしょう。
実は台湾はアジアでも早い時期からLGBTに対しての運動が行われていて、日本よりも開かれた社会なのです。
それどころか、LGBTの権利がアジアの中で最も進んでいるとすら言われています。
大きな話題となって世界を駆け巡ったのが2017年5月の発表でした。
同性婚合法化へ
日本ではまだ、同性婚は合法化されていません。
それどころかアジアでは合法化されている国や地域はないのです。
世界に目を向ければ2001年のオランダをはじめとして、いくつかの国が同性婚を合法化して認めているところがあります。
しかし、まだ、数えるほどの国しかないのです。
これだけ世界では平等や権利といったものが声高に叫ばれているのに、なかなか前へは進んでいかないのですね。
しかし、2017年の5月に台湾の憲法法廷で、台湾の現在の民法にある「結婚の前提が男女間であるという規定」に対して、憲法に記されている「婚姻の自由と平等」に反しているという解釈を示し、2年以内に立法措置をおこなうように促したのです。
これは同性婚の合法化がなされるということを意味しています。

今の台湾ではまだ、法律として確立していませんが、同性婚の現実は目の前にきているのです。
難しい問題なので、皆さんのなかでもいろいろと考え方が違うでしょうが、この判決はとても素晴らしいと思います。
台湾のLGBTへの取り組み
実は、2017年よりも15年ほど前には台湾ではすでに同性婚を認めようという動きがありました。
2003年10月末には台湾の行政院と呼ばれる日本の内閣に相当する場所で「人権保障基本法」内での同性婚を認める案をまとめた経緯があります。
その後も何度か試みられましたが、昨年の発表があるまでの間、退けられ続けてきました。
法律を変えるのは簡単ではないのですね。
日本はどうなのでしょう。
同性婚への法改正は行われる日がくるのでしょうか?
地域ごとに条例などで権利を認めようとする動きは出てきていますが、まだまだ先の話になりそうです。
同性間の恋愛や結婚について日本では偏見が強いのかもしれません。
それに比べると、台湾は2011年から学生が使う教科書にLGBTの差別の禁止と人権についてを盛り込んで使用されているので、徐々にではあるでしょうが、LGBTの認識が浸透していっています。
また、2003年11月には台北市内でLGBTのパレードであるプライド・パレードが執り行われています。
日本ではそれ以前に行われていますが、中華圏ではこの時が初めてでした。
それ以降もパレードは行われていて、初年度に比べると多くの人が参加しています。
時の総統であった馬英九氏も参加したことがあり、台湾の社会が大きくこの問題に向き合っていることがわかりますね。
台湾市民の受け止め方
台湾の街を歩いていると同性のカップルが手をつないで楽しそうにしている光景に遭遇することがあります。
日本よりもオープンで、また周りの人とも一風景のように馴染んでいるように私には見えます。
しかし、やはりまだまだすべての人に受け入れられているわけではないようです。
同性婚の合法化に向けた明るい話題が昨年に沸いたにも拘わらず、なかなか法整備されないのは、反対派もそれ相当の人数がいるということです。
今回の件では法律にどのように記されるかという解釈にも問題が生じていて、台湾国内でも大いに割れています。
昨年の発表で同性婚の合法化は確実視されていますが、最終的にどのようになるのかも見届けたいものです。
明日への兆し
一度でも台湾を訪れたことがある人なら、台湾の人々のおおらかな性格とゆったりと流れる時間にほっとさせられたことがあるでしょう。
その空気感を作るのは、そこに息づく人たちです。
LGBTへの理解を深め、それを許容して理解しあえる社会が日本よりも早く来ることに、素敵だなと思うばかりです。
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