日本の外務省が発表するデータによると、台湾の現在の人口は2018年3月時点でおよそ2,357万人とされています。そのほとんどが漢民族でありそれ以外に台湾の原住民族が含まれます。
日本は大和民族が大半を占め、アイヌ民族と琉球民族を含む3つの民族で形成されています。しかし、台湾は日本に比べると国土は小さいですが、16民族の台湾原住民がいます。
その民族それぞれが言語や生活など異なる習慣をかつては持っていました。もちろん今は交通などの発達により原住民との交流はすすみ、台湾で出会う人たちの誰が原住民であり、誰が漢民族なのかは見分けがつきません。
今回はそんなバラエティに富んだ台湾原住民にスポットを当てたテーマパークを紹介します。
台湾原住民16民族
台湾の原住民は台湾政府に認定されているもので16民族あります。
・アミ族(阿美族)
・パイワン族(排湾族)
・タイヤル族(泰雅族)
・タロコ族(太魯閣族)
・ブヌン族(布農族)
・プユマ族(卑南族)
・ルカイ族(魯凱族)
・ツォウ族(鄒族)
・サイシャット族(賽夏族)
・タオ族(達悟族)
・クバラン族(噶瑪蘭族)
・サオ族(邵族)
・サキザヤ族(撒奇莱雅族)
・セデック族(賽徳克族)
・カナカナブ族(卡那卡那富族)
・サアロア族(拉阿魯哇族)
台湾政府から原住民と認定されていない「平埔族」とまとめて呼ばれている中には、その他に10前後の民族があります。
しかし、それらの諸民族の中には漢民族との同化が進行してしまい、その民族独自の風習などもなくなってしまうなど、消滅してしまっているともいえる民族もあります。
台湾原住民文化園区
台湾には原住民の文化を保存し残す取り組みがあり、その一つが台湾の第2の都市と言われる南部の高雄近くにあります。
「台湾原住民文化園区」というテーマパークです。
ここでは原住民のショーやいくつかの民族の住居などを再現して作られていて、彼らの生活様式を実際に目で見て知ることができます。
その民族がいた場所や歴史について学ぶことができる上、展示されている民族衣装は彼らの生活を知るうえでとても面白い資料の一つです。
布を基調に全身が収まるように作られているものもあれば、裸にちかい民族衣装もあります。
大きくない一つの島にこれほどの差異があるのかと驚かされるだけでなく、これほどの異なった文化が形成されるほどに当時は情報や人々の交流が少なかったことがわかります。
この場所は諸外国からの観光客だけではなく、台湾人の観光客も足を運んで楽しむスポットでもあります。
もちろん原住民をテーマにして広い土地に建設されているテーマパークですが、その他の見どころとして2015年に架けられた「琉璃吊橋」というつり橋があります。全長約260m、高さ約45mもあり、絶景を見ながらの空中散歩は合わせて楽しみたいスポットです。
九族文化村
このテーマパークが作られた1980年代後半には、台湾政府が認定していた原住民の数はわずかに9民族でした。
そのため、その当時につけられた名前が今でも残っているということです。
ここは台湾中部に位置し、観光名所でもある日月潭(にちげつたん)[※] の近くにあります。2010年に九族文化村と日月潭を結ぶ全長1,877mのロープウェイが完成し、このロープウェイに乗る観光客も訪れています。
テーマパークの内容は高雄の「台湾原住民族文化園区」と似ているところが多々あります。
園内に作られた民族の住居では中に人形が置かれていて、生活様式がどのようなものだったのかわかりやすく説明しています。その中には死者の安置の仕方やシャーマンによる病の治療風景が再現されている家屋もあります。
イベントのショーも各民族のダンスだけでなく、笑いを入れ込んだ演出がされているなど、言葉がわからなくてくても楽しめます。多くの観光客は九族広場とナルワン劇場でのショーをメインに足を運んでいるのでしょう。
タイミングがよければ人が少なくて園内をゆっくり見てまわることができますが、ショーの時間には結構な人数が観覧に訪れることもしばしば。
台湾の一つの歴史
文化交流が進み、台湾文化を映画や歌、食事を入口として理解することはとても素敵なこと。
そしてそれをきっかけとしてさらに台湾の事を知ることでもっと好きになるひとも少なくないのです。台湾旅行客が増えたり、日本の学校で修学旅行先に台湾が選ばれたりもしています。
歴史を原住民族から見つめることも非常に重要なことだと思います。
その機会を得る場所として今回紹介した2つのテーマパークは非常に役に立つ場所になります。台北からは距離がありますが、時間を使って訪れても充実した時間を過ごせることでしょう。
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