台湾の上手い「中国のかわし方」が秀逸ですね!

台湾文化

一つの中国

この言葉は中華人民共和国(中国)と中華民国(台湾)を語る上では欠かせないフレーズです。

 

1940年代の蒋介石(国民党)と毛沢東(共産党)による国共内戦をきっかけに生まれた言葉です。

台湾は中国の一部であるという主張。

大陸は元々台湾が統治する国だったという主張。

その最中、1949年10月1日に毛沢東が天安門広場で中華人民共和国を宣言。

 

この問題があるために、台湾は国連に加盟できませんし、日本政府も台湾を国として正式に認めてはいません。

そして、今なお中国は台湾を中国の一部であるということを主張しているのです。

その主張をさらに強化し世間に知らしめるためにできたのが2005年に成立した反分裂国家法ですね。



台湾が中国から離れるなら容赦しないよ!っていう法案

反分裂国家法は「台湾が中国から離れる」=「独立する」ということを許しませんという方案です。

さらに驚くべきことは、もしも離れるというのなら・・・・

非平和的方式を含む方法でそれを阻止することもあるからね!!

ということが盛り込まれているのです。

 

単刀直入に言えば、武力行使もいとわないということです。

もちろん、この法案可決については世界中で大きな議題となり台湾も大反発したのは言うまでもありません。

 

ちなみに、中国軍の名前は人民解放軍ですよね。

これは、まだ台湾には解放すべき人民がいるんだという意味を持っているからこその名前です。

 

それってもはや独立じゃないか!!許しません!

時は少しさかのぼること1996年、台湾では初めて国民の直接投票による台湾総統選挙が行われました。

台湾では政府の最高官を総統(そうとう)と呼びます。

日本では総理大臣にあたります。

 

日本と違うのは、総統が国民による直接投票によって選ばれるということ。

日本の総理大臣は国民が選んだ議員による投票(間接投票)で選ばれます。

 

なので、総統=大統領ということです。

この総統選挙では台湾の独立志向が強いとされる李登輝(り とうき)が優勢でした。

 

今でこそ表記はなくなりましたが、それまで台湾では「外省人」「本省人」という呼び方がありました。

外省人とは中国大陸から台湾に入ってきた人のこと。

本省人とは元々台湾にいた人のことを刺します。

 

それまでの台湾は蒋介石など外省人が政治のトップにいましたが、1996年の選挙で優勢だっ李登輝(り とうき)は本省人です。

 

これに対して、中国は「それって台湾が独立国だということを暗に意味するよね?」

ダメダメ!!

という意思を表明します。

 

その意思は軍事演習という行動をもって台湾威嚇をしたわけです。

台湾の北部や南部の海域にミサイルを撃ち込み、これによって台湾では一気に緊張が高まります。

中国からしてみれば、台湾も中国の一部だし、その近海にミサイルを撃ち込もうが自分の領海内でやっていることに変わりはないのだからええやろ!

という主張があります。

 

それに対して看過できなかったのがアメリカ。

アメリカ軍は台湾海峡に空母を派遣します。

その空母の名前はインディペンデンス(Independence)

 

インディペンデンスを訳すと「独立」です。

皮肉な物ですね。。。

 

アメリカ空母が台湾近海に配備されている以上、迂闊に中国空軍が台湾にしかけることができません。

この一連の動きによって、中国はさらなる軍事演習を見送ることにしたのです。

中国はこの一件以降、空母保有の重要性を国内で高めていくことになったとか。

その後、中国はソ連解体後にウクライナが黒海で保有していた未完成の空母ヴァリャーグを購入しています。

 


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本省人、李登輝の言葉が秀逸

1996年の総統選挙の結果は本省人である李登輝が当選します。

本省人として初めての総統です。

彼は日本統治時代に日本語教育を受けていたため、考え事は全て日本語でするらしい。

 

その彼が演説で述べたのは

中国と台湾は特殊な国と国の関係だ!

独立は宣言しないが別々の国だよ!

ということです。

 

上手いね。

 

政治の世界も経済の世界も言葉一つで未来が大きく変わることがあります。

それまでの概念の見直しを考えさせられることもあります。

ここに学ぶことも1つあるのかなと思いますね。


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