あなたは、台湾に親日が多いのは何故だと思いますか?
日本統治時代、台湾は日本人によって大きく発展したから。
という考えをもっている人も多いかもしれません。
しかし、実はそうではなかったかもしれないのです。
台湾は元々日本が好きではなかった!?
台湾の親日を語る前に、まずは事の始まりを知らなければなりません。
時はさかのぼり、1894年。
日本がまだ大日本帝国と名乗っていた時代で中国大陸は清という国でした。
その日本と清の戦争である日清戦争で日本は勝利します。
台湾なら別に無くなっても痛くも痒くもないからあげますわ・・・
ということで、戦後、日本は下関条約で清国から台湾を割譲してもらいます。
戦利品ですね。
当時、清国にとって台湾は特別重要な拠点でもなく、ほとんど放置状態だったので割譲する地としては最適だったのです。
一方、日本は日清戦争を含む第二次世界大戦のことを大東亜戦争と呼んでいましたよね?
これはどういう意味を持っているかというと、欧米列強が植民地化を進めていたアジア圏の地域をアジアの一国である日本が欧米から解放し、アジアを自律させていこうという考えが基になったことが由来です。
そのためには、日本が太平洋諸国を統治して欧米諸国に対抗していかなければならない!といのが大義名分です。
そのため、台湾という島は清国にとってはどうでもよい島であっても、日本にとっては重要な島だったわけです。
ここで、日本は台湾を完全に日本化すべく施策をします。
しかし、第二次世界大戦敗戦後は世界中の国々から
日本が単純に領地拡大を図っただけじゃん!!
大東亜戦争という呼び方は禁止!!
と言われたため、今では第二次世界大戦とか第二次世界大戦の中の太平洋戦争とかという呼び方がされます。
反日だっていますよ台湾に!
台湾は元々は清国の領土です。
そこに全くのよそ者である日本がやってきて
無理やり日本語を覚えさせられ、日本の考え方を教え込まれたりすることに強い反発をする台湾人もいたはずです。
当然、クーデター的なことも起こりました。
なので、事実として日本統治の始まりの頃には武力鎮圧によって暴動を抑え込まれたとされます。その犠牲者は1万人以上とも。
日本が台湾を完全に日本化したから、台湾は発展した
日本統治に反発をする台湾人がいた一方、清国統治の頃はほとんど放置されていたため、台湾は文明が世界から随分と取り残されていた状態でした。
そこに日本が本気を出してインフラ整備を始めたことで、一気に台湾の生活レベルが向上したのは間違いありません。
こうしたインフラ整備は当時の台湾に大きなプラスの効果をもたらし、中国大陸以上に生活環境が改善されていきました。
また、義務教育によって台湾人の識字率も向上。
大学だってできています。
普通はこうした日本統治時代の恩恵が今の台湾人が持つ親日感情を作っていると思うだろう。
確かにそれは間違いないのかもしれません。
でも、実はそれだけじゃないんですよね。
台湾人は日本よりひどい腐敗しきった国民党軍にうんざり!?
時は過ぎた1937年、日中戦争がはじまります。
日本は上海に上陸し南京も攻略します。
このままいけば、中国の降伏は時間の問題だろうと楽観的だったといいます。
当時の中国大陸では大きく2つの党がぶつかり合っていました。
しかし、さすがに海の外から日本という外国が攻めてきているのに中国大陸内で内戦をやっていては漁夫の利を与えてしまいます。
そこで、国民党と共産党は日本を共通の敵として一緒に戦おうじゃないか!
ということで、国共合戦という形で手を組みます。
これによって、日本は苦戦を強いられたみたいです。
時間の問題だろうと思っていた日中戦争は結局1945年の第二次世界大戦が終わるまでの8年間続きます。
そして敗戦国となった日本は台湾を含む占領地の統治権を全て放棄。
とここまでは良かったのですが、共通の敵である日本を追い出したところで再び「国民党 vs 共産党」が始まります。
実は準備万端だった!?共産党(毛沢東)
形式上、日本を共通の敵として共に戦うとして契約した「国共合戦」ですが、実はその裏で共産党(毛沢東)による操作が行われていたことを忘れてはいけない。
共産党は農村部を中心に多くの人民の支持を得ていたとされるが、それよりも日中戦争=「日本 vs 国民党軍」という構図をつくることを図ったわけです。
要するに、国共合戦といいながら実際は国民党軍(蔣介石)に日本軍と戦わせていました。
それによって、国民党軍を疲弊させたかったのです。
日本との闘いの後に一気に国民党軍を潰すためですね。
共産党の後ろには当時のソ連がいます。
日本が第二次世界大戦で敗戦するとシベリア満州国の統治も放棄。
それによって、ソ連は日本から武器などを全て没収します。
その没収した武器は共産党に渡されていたとされます。
こうした様々な要素があって、国民党は共産党との闘いに敗れて台湾へと敗走することになる。
まるで落ち武者どころか軍隊じゃないみたいな国民党軍
中国国共内戦は1949年まで続きますが、1945年の時点である程度の国民党軍が台湾へと逃げ、台湾で体制を整えるべく台湾を統治しようとします。
しかし、中国大陸から渡ってきた国民党軍の姿はあまりにも軍隊とは思えない姿であったとされます。
軍人およびその家族は見た目も中身も台湾人に及ばなかったとか。
大陸から渡って来た者たちは、読み書きができない人がほとんどであり近代文明を知らない者だって多かった。
台湾はそれまでの日本の統治によって、世界水準に近いレベルで教育を受け、近代文明によって街は大きく発展していました。
それ故、台湾の姿をみた国民党軍の人たちは驚くばかりであったことでしょう。
もっとひどいのは、腐敗しきった国民党軍内部。
賄賂(ワイロ)がないと何も前に進まない政治・軍隊。
これには台湾人も辟易(へきえき)していました。
それを表現する「走了狗来了豚」という言葉があります。
「イヌが去り、ブタが来た」と直訳できますが、これは国民党軍を揶揄する言葉で、イヌとは日本のこと、ブタとは国民党軍のことです。
それだけ台湾人が大陸から来た国民党軍をバカにしていたということが理解できます。
だからこそ、日本の良さが引き立たされているのかもしれません。
台湾が親日であると言われる理由のまとめ
歴史の事情には様々な背景が折り重なっていることが普通です。
台湾が親日国として今あるのも、様々な背景があるからです。
でも、元をたどれば日本がその昔に清国と戦い、勝ってしまったからじゃないか?
もし、日本が負けていたら台湾割譲はなく、ずっと台湾は中国の一部だったかもしれません。
中国国共内戦だって、国民党と共産党の争いの結果だって変わっていたかもしれません。
歴史というのは数奇な運命の上にあるものですね。
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