こんにちは! リンちゃんです。
あなたは「地球村」・「世界村」という言葉を聞いたことがありますか?
台湾人はよく言ってますよ。
インターネットや交通手段の革新により、世界中の距離が縮まっています。
グローバルな展開が簡単に進められるようになりました。ホント。
パソコンがまだ普及されていない時、外国と連絡したくても通信費や向こうの設備環境など、不便なところがたくさんありましたよね。
また、図面1枚を送ろうとしても、郵送かFAXしかできなかったでしょう。
郵送はとっても時間かかるし、FAXの場合は通信料が高額のうえ、届いた図面は鮮明に見えるかどうかも保証できないです。
現在、スマートフォンで写真を撮って、アプリやメールで送信し、アメリカでも北極でもわずか数秒間で相手とやり取りできちゃいます。
世界中から品物を調達できるようになった昨今は本当に便利な世の中になったなぁと感じる人は多いはず。
ところで、短納期の特注品・加工品も海外依頼できていますか?
金属部品加工の世界では海外依頼品を特急で処理するのは非常に難しいんです。
日本国内なら近くの工場へ行って頼み込むという手段が使えますし、工場の人と直接話をすることができるので特急品でもなんとかこなせる可能性が高くなります。
でも、海を隔てた海外の工場だと?
実際に私は本業としている部品加工業界で、台湾に特急品依頼をして無事に短納期で日本に納品するというミッションをクリアさせた実績が多数あります。
その時に注意すべきことをこの記事で皆さんにシェアしたいと思います。
1.特殊材質を避ける
まず、台湾へ短納期な加工品を依頼するとき、避けた方がいいのは特殊素材。
「特殊」というのは、日本には普通にあるけれども台湾では取り扱いがレアな材料のことです。
以前もブログ記事で紹介させていただいたなんですが、「国の優位性」のことを言いたいのです。
自然資源が少ない台湾は貴重金属がとっても高いです。
また、日本メーカー製の鋼材(DRAM、SLD、DC53、ASPなど)も高くて調達時間がかなりかかります。

2.大型のものは避けよう
大型物のデメリットは
①運賃
②梱包代
「短納期」という条件がある限り、輸送にめっちゃ時間のかかる船便は使いません。
一般的には航空便で送っちゃいます。
よく使うのはDHLです。(速いです)
最悪、納期が・・・・という場合は関西圏だと関空に引き取りにも行ける。

DHLで発送する場合、台湾からだと翌日に日本着できますが、船便は2週間くらいかかります。
重たいものを海外依頼するとき、運賃をカバーできるかどうかを慎重に計算しなければなりません。
また、薄い板や細長い物を発送する場合、木箱に入れることをおすすめします。
せっかく加工した品物を運送途中にキズつけたり変形させてしまったら・・・
ちなみに木箱は1個1万円から1万5千円です。(大きさによる)
このコストも入れて海外発注する価値があるかどうかを判断しましょう。
3.熱処理・表面処理のあるものは避ける
理由は日本でやった方が断然に早いです。
金属加工には熱処理や表面処理(コーティング、塗装)といった処理が必要となるものもあります。そういったものは、特急対応できないことがほとんど。
もしも、調質材使用可能の場合は短納期でもOKです。

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4.綺麗な図面(できればCADデータ)を提供する
ここからは、加工依頼における失敗率を下げる注意点ということになります。
CADファイルが提供できればベストです。
ありがとう(抱)
PDF図面(紙図面)のみの場合、本当に線や字が見えにくいものが多い。
もはや、「8」か「6」か「9」かの区別もつかなくなっていたり、注記の字がミミズみたいにフニャフニャになっていて、何書いているか理解できないんです。
お客様に確認してもらっても、「この図面しかありません」と言う。
何度もFAXして周ってきた図面は困る。
短納期な仕事なので、失敗を許せません。後が大変だもん(;´・ω・)
なるべく、見やすい図面を提供しましょう。
また、公差が表記されていない寸法 ”も” JISの公差等級を明記しましょう!
「一般公差」、「指示なきの角部はRを付けること」、などの文字をやめて、全部数字化にしましょう!
これはとっても大事だと思います。
一般公差、バリ・鋭角なしのように書いたら、加工する人によって、判断結果が異なります。
結局、全部が自分の希望に合うとは言いきれません。
日本国内ならば通常はR1でしょう、一般公差は±0.1が常識でしょう、などなど失敗に導く考えを捨てましょう!
理由は「時間がありませんから!」
一発で成功させたいために、明確な指示をしなければなりません。オォォ!
日本のものづくり常識が世界の常識と勘違いしている。
5.製品情報(使い方など)を知っている限り提供する
「ここは使用するにあたり、重要な部分だから気をつけてね」ということを加工者にアドバイスをすることにより、ミッション成功率が高まります。
また、重要寸法や嵌め合い部品情報を提供することも大事です。
※上記の2点を実行すれば、ミッションは8割クリアです。
6.製品をスムーズに受け取るための注意点
DHLで台湾発送する場合、通常は翌日に指定住所までお届けできます。
でも、通関に掛かったら1日、2日、3日と遅れてもおかしくないです。
そうです。海外からの輸入品は必ず税関を通らないといけないのです。
スムーズに製品を受け取るためには、スムーズに税関をパスしないといけないのです。
なので、輸入許可を素早く受け取るために、下記の注意点を加工先にお伝えしましょう。
輸出者に徹底させることです。輸入者であるあなたが実際にすることではないですよ。
- インボイスの品名を明確に書きましょう
- インボイスに貿易条件を記入すること
- インボイスにHSコードを記入すること
- 無地のダンボールを使用すること
- 行先が間違われないよう、外箱にシッピングマークを貼りましょう
税関でいつも引っかかるケースを紹介すると、品名を「ツール」、「機械部品」、「金型」というアバウトな名前にした場合ですね。
部品の種類ごとに税率が異なるので、困ってしまうらしいです。
たいていは、「これ、何に使う部品?」「どんな機械に使って何を作るもの?」など色々と質問されます。
質問を受けるのは輸入者なので、あなたですよ!!!
「時には図面よこせ」とまで言われる。
今までで、最長1週間足止めをくらいました。。。。
なので品名には「シャフト」、「ガイドブロック」、「スリーブ」などはっきりと分かる名前を記入することにより、税率が判断しやすくなり、貨物も怪しまれにくいです。
そして、一番やってはいけないことは果物やお米・食べ物のダンボールを再利用することです。
理由は外箱に検疫対象の生鮮食品やお米の文字とイラストは税関検査にかかる可能性が高いからです。配達時間も遅れてしまいます。
また、1つ以上の場合、ダンボールの上面(送り状の横)にマジックでカートン数を記入しましょう。
※カートン(carton)は、本来は紙箱を意味しますが、貿易で使われる場合は段ボール箱のことを指します。
例えば、2つの荷物を送るとき、1つ目のダンボールに1/2(1 of 2)、2つ目のダンボールに2/2(2 of 2)と書く。
この細やかな事をすれば、作業ミスで全部の荷物が届かないことが抑えられます。
ここまで記事を読んできた方は「海外発注面倒くさい、やめとく」という思いをしませんよね。
最初は手間かかるなあ~面倒くさいなあ~と感じてしまうですが、慣れればそんなに時間かからないと思います。
また、こういう事前準備をすれば本当にミッションクリアできちゃいますよ。
こうすることで、海外パトーナと自分の選択肢も増えて、仕事の幅も可能性も広げていくんですよ。
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