台湾だけじゃなく、その他海外企業(工場)で部品加工をしてもらう時、日本企業側からすれば品質や納期などのリスクをいつも考えることになりますね。
それは日本国内で加工する時の比ではありません。
「納期は絶対」、「単価は安い方がいい」、「品質は当たり前」
笑いながらお客様と話すこと多いです。
自分の国(台湾)より技術が進歩している国(日本)に製品を納めることを考えれば、どうすればお客様が満足してくれるか悩みます。
というのも、台湾現地の加工屋さんは「MADE IN JAPAN=高品質」というのが世界共通の合言葉であって、「MADE IN JAPAN」を愛用している理由は?と聞かれたとしても説明は要らないと思っているからです。
実際には、台湾の加工レベルも日本企業と遜色ないくらいに高いとは思いますが、大きく違うのは意識の持ち方でしょうか。
あなたが海外で部品調達するときに求めるものは?
さて、あなたが海外部品を調達するとき
「何を求めているのか?」
「どんな不安を抱かれているのか?」
ブローカーである私は結構考えます。
あくまでも私の考えですが、日本企業は海外工場に加工依頼をするきかっけは大きく3つに分けられると思います。
①自社の生産力が足りない
②コスト削減したい
③国内の協力工場は何かトラブルがあった
いわゆる3箇条的なものですね。
同じ職業の方々の本音が知りたいです。((笑))
これらの問題を解決するため、海外工場に加工依頼を考え始めたとしましょう。
中国、台湾、韓国から調達することを考えたら、親日であり、日本と一番似ていそうな台湾で試作することを第一候補とされるお客様も多くいらっしゃいます。
そもそも、台湾はアジア圏においても珍しくモノづくりの技術研鑽で経済発展してきた国の1つなんです。
なので、平均的な技術レベルはそこそこ高く信用も得ています。
じゃあ、台湾企業を利用するメリットは何か?
現行部品と同等品質、同等納期で提供できますよ!ではあまりメリットがありませんね。
稼動キャパが足りないので助けて欲しいという場合は別ですが、そうでなければわざわざ海外へ依頼する魅力はありません。
というわけで、結局は「お金」です。
品質OK
納期OK
今より安い
ということですね。
悲しいけど、やっぱりお金か・・・
もちろん、台湾の工場も必死に頑張っています。
でも、最近ちょっと気持ちの切り替えも必要かなと思う部分はあります。
トヨタ自動車の高給ブランド「レクサス」について、ある言葉を聞きました。
安いレクサスは誰も買わない
!!!!!!!!!!!!!!!
ちょっと衝撃。
でも納得。
300万円のレクサスは、たぶん売れないですね。
「安くて良いものを」
これが、日本の高度経済成長を支えたスローガンでしたが、今は転換期にあるようです。
「良いものには、相応の価格を」ということですかね。
生産コストを叩き上げる時代よりも、どうやって製品に対する消費者の購買意欲をかきたてるかを考えるマーケティングの重要性が益々大きくなってきたと感じます。
通信網の発達が時代を変えたのかもしれませんし、人の考え方っていうのも時代の流れで変わってきたのかもしれません。
あなたは、低コスト路線を突っ走りますか?
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海外企業の役割と今後の展望
一時期、世界経済の不況から海外に進出していた日本企業の現地撤退が相次いでいましたが、ここ数年は再び海外進出が盛んになってきたようにも思えます。
ただ、昔は海外の安い労働力を使ってコストダウンを!という色合いが非常に強かったのですが、アジア諸国のモノづくりレベルも徐々に向上してきたためか、海外マーケットの開拓という趣旨が強いのかなとも感じます。
また、日本国内では製造業が少し下火になってきたこともあり、生産力という面での課題を補充するかのように海外企業を使うというところも増えています。
中国やベトナム、インドネシアなどの海外留学生や技術者の受け入れも日本では盛んになっています。
今や、数人規模の零細町工場でも外国人労働者を雇う時代。
それだけ、日本人の雇用確保が難しくなっているんですよね。
台湾は安く部品製造できるというわけではありません。
生産コストだけを考えれば、他国にも安い労働力というのはありますし比べられるとおそらくは負けてしまいます。
なので、コストだけじゃない何かをこれからの台湾は見つけていかないとダメですね。
例えば、納期。
例えば、品質。
このあたりは、安直に思いつくメリットです。
誰でも考えつく。
じゃあ、他に何があるのか。
それは、目に見えない利便性ですね。
人って面倒なことが嫌いです。
より便利に、より快適に。
この欲求こそが、文明を発展させた原動力です。
部品加工の受発注でも同じです。
図面さえ渡せば、スムーズに作ってくれる。
これが理想です。
「注文ね!」
「承知しました」
・
・
・
「納品です!」
これが理想です。
でも、実際は受注後の納品までに
「加工上R加工をC面加工に変更していいですか?」
「材質を類似の代替品に変更してもいいですか?」
「データください」
「研磨必要ですか?」
などなど、細かいやり取りがあったりします。
ある意味、慎重に丁寧に正直にやってますよという表れでもあるのですが、お客様からしてみれば面倒でしかない。
「最初に言えよ!」ということですかね。
なので、課題としてはそういったことが極力なくなるようにできることを目標としたいと思うこの頃です。
加工屋の判断でここは研磨を入れておいたほうがいいとか、切削レベルでいいとかできないとダメです。
これは利便性追求の1つでしかありませんが、海外だけでなく日本国内の協力会社選びで優先するのは注文を出す側からしてみて ”便利かどうか” ですよね。
とにかく、部品の種類を問わず何でもレスポンスしてくれるところは重宝しますし、オイシイ仕事があったとすれば優先的に出したくなります。
まぁ、人間だもの。
安さで負けるなら、安さじゃない仕事をもらえるように頑張らなきゃなぁと奮起しております。
それが、海外企業としての住み分けですからね。
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