台湾izm 管理人の平野です。
今回はアルミブロックを削ったものがスマホスタンドになった話です。
スマホスタンドってネットショップサイトを見てみるといっぱいありますね。
価格だってピンキリです。
ほとんどの製品は海外(中国やベトナムなど)の安い労働力を駆使して大量生産させており、最近は中国の人件費の高騰でベトナム製が増えてきた気がします。
でも、それら大量生産の製品とはちょっと違ったカテゴリとして、作り方や出来上がりにこだわりを持った製品もあります。
今回、弊社を通じて台湾でアルミブロックの加工依頼を受けたものが、オリジナルスマホスタンドとして販売されました。(トップ写真のもの)
生産ロット数や構造の兼ね合いから大量生産できず、1つ1つ丁寧にアルミブロックのかたまりから工作機械で削りだしたものです。
初め、加工のご相談を受けてからはどんな商品になるのかなぁと思っていましたが、おしゃれなスタンドになっていて良かったです。
もし、アルミを削って商品を作りたいなぁと考えている場合は、それが大量生産で安く作れるものなのか、あるいは1つ1つを手作業や機械加工で加工しないとダメなものなのかを判断しないといけません。
なんでもかんでも大量に安く作れるわけではないですしね。
大量生産できるものとできないもの
時々、100円均ショップの棚に並んでいる商品を見ていると
とビックリしちゃうようなものまで100円で売られていることがあります。
海外の安い労働力を利用して作ったものもたくさんありますが、プラスチックや樹脂製品などは、原料を溶かして固める方法で大量生産できるので、原価はめちゃくちゃ安いです。(※製品の金型費用は別)
あるいは、金属製品だとネジなんかも大量生産できます。
安いものは安くできるだけの製造方法、製造ラインがあるんですね。
一方、どうしても100円で売ることのできないものだってあります。
- 生産数が少ない
- 素材が高価
- 人間の微妙な力加減でしか細工できないもの
- 機械が自動で量産できない
というような要因を持つ製品が挙げられます。
まず、生産数が少ないものは大量生産できる形のものであっても、金型を作る費用で赤字になってしまいます。
大手メーカーが数量限定なのに安い価格で商品を販売している場合、それは既存の量産製造ラインや既存の金型を利用して後からちょっと細工すれば出来上がるものが多いです。
お菓子なんかは、形状は同じで味付けを変えれば ”季節限定商品” が出来上がりますしね。
素材が高価なものも、安く提供するのは厳しいですね。
仮に純金製のボールペンが販売されたとして、それが100円で売られることは普通ない。
少なくとも、その商品で販売利益を生むためには原価と製造費用を足したもの以上の金額を付けないといけませんし。
人間の微妙な力加減でしか細工できないものも、大量生産には向かないですね。
衣類などは海外の工場で1人1人がミシンを使って作ることもできますが、ガラス職人とか伝統工芸品類、あるいは一部の金属加工(ヘラ絞りなど)でも大量生産には向きません。
そして、機械が自動で大量に生産できない形状のものも当然です。
連続プレス加工や樹脂射出成形などのように、人間がいなくても24時間機械が勝手に製品をガシャガシャ作り続けてくれるようなもの、あるいは鋳物のように金型に溶かした原料を流し込んで固める手法が使えるかどうかが1つの判断基準ですね。
ただし、その場合は製造ロット数は100個、1000個ではなく、数万個となることも多いので販売数をマーケティングしておかないと大赤字になってしまいます。
アルミブロックの切削加工で作ったスマホスタンド
今回、依頼を受けて製作したアルミのスマホスタンドですが、製品パンフレットはこちらで、販売サイトは 部屋とmidori というサイト様です。
人工芝を敷き詰めていますが、弊社は土台となるアルミ部分を製作しました。
これはアルミブロックを用意し、工作機械で削りこんで作ったもの。
いわゆる一体物ですね。
細かいパーツを接着剤でくっつけたりしていません。
なので頑丈。
決して大量生産できないタイプのものになります。
そうすると、製造コストをいかに安くするかは加工工場次第。
ここで、台湾を選んでもらえたのは有り難かったですね。
金属部品加工の世界というのは、業者によって価格が様々です。
同じアルミの加工でも、得意とするサイズや形状があります。
それを見極めるのは非常に難しいです。
ホームページに自分が欲しい形の加工サンプル画像が掲載されていたとしても、あくまでも加工はできる。でも価格は別問題。ということがよくあるのです。
それは弊社でも例外ではありません。
これから色々と作りたいものがあるならば、根気よく加工屋探しをする心構えをしておくべきですね。
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