台湾には台北や台南など各地に孔子廟(こうしびょう)と呼ばれる建物がいくつかあります。
中でも最も古いのは台南市にあるもので、1665年に創建されています。
「全臺首学」と書かれている門が目印ですね。
これまでに、台南の孔子廟は幾度となく天災や戦火によって損傷を受けていますが、その都度改修されています。
現在に見られる建物は日本統治時代の1917年に改修されたもの。
ちなみに、実は日本にも各地に孔子廟はあり、有名なものだと東京都にある湯島聖堂です。
他にも、沖縄の孔子廟(久米至聖廟)、長崎孔子廟がある。
沖縄や長崎は観光地として人気があったりします。
さて、日本や台湾、中国など他の国にもある孔子廟。
これって一体何なの?
台湾観光でわざわざ訪れるって価値あるん?
そう思うあなたに孔子廟って何かをお伝えしましょう。
孔子廟は孔子の霊が祀(まつ)られているわけではない!
そもそも、「廟(びょう)」って何だか知っていますか?
えーっと。。。
お墓?
というあなたに、ウィキペディアさんに説明してもらいましょう。
廟(びょう)とは
- 宗教施設として、
- 死者を祀る宗教施設。特に各親族集団において祖先を祀るものをいう(仏壇など)。霊廟。祖廟。この項で記述する。
- 1から転じて墳墓のこと。特に建造物が伴う墳墓をいうことがある。
- 1から転じて神仏を祀る宗教施設。神殿。寺院。
- 王宮の前殿で、政治を執り行う所。
(Wikipedia)
ということで「廟」っていうのは、色々な意味で使われることがあるってことです。
孔子廟については、あまり詳しく知らないまま観光で訪れる人が多いとは思いますが、意味を知っておくとまた感覚が違ってきます。
孔子廟においては、まずお墓ではありません。
あくまでも、先祖を祀る霊廟なんです。
何か頭の中が整理できなくなりそうですが、要するに孔子の霊がそこにあるというのではなく、孔子のことを崇め想うための場所ってことです。
本来ここは孔子を「学問の神様」として祀り祭祀を行う場所という認識を持つのが正しい。
孔子は儒教の始祖であるので、孔子廟は儒教祭祀を行う場所と思えばいいでしょう。
なので、あちこちの孔子廟には孔子にちなんだ祭礼用具などが展示されているところが多いですね。
もちろん、台南の孔子廟にも展示品があります。
孔子って何者??
孔子(紀元前552年~紀元前479年)は春秋時代の中国の思想家、哲学者、儒家の始祖として、世界中で崇められていることは間違いありません。
ただ、何となく孔子って偉い人。
頭のいい人。
何をしたのかよくわからないけど、すごい人。
みたいに漠然としているのではないでしょうか?
でも、私が好きな孔子の教え(名言?)には次の言葉があります。
「己達せんと欲して 人を達せしむ」
意味は
「自分が目的を達成しよう思うときは、まず人を助けてその人の目的を遂げさせてやる。
仁者は事を行うのに自他の区別をしないということ。」
となります。
結構好きです。この言葉。
あなたも、孔子の名言を探してみてください。
孔子の教え(儒学)に対する意見や考え方っていうのは、人それぞれでしょうけれど、結局は ”生き方” をどうするかを考える学問でもあると言えるのではないかと思います。
いわゆる処世術の1つでもある。
孔子のこと気になるけど難しそうだなぁと感じる人は、映画で観てもよいかも。
最後に孔子が教える儒学思想で大事なキーワードを挙げておきます。
徳・・・品性、性質、人格的能力
仁・・・おもいやり、いつくしみ
礼・・・社会的なきまりごと
儀・・・正しい判断、正しい道
中・・・ほどよく過不足なきこと
これを頭に入れて映画を観たり、本を読んだりすると捉え方が変わるかもしれません。
そして、台南孔子廟に行きましょう!!
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