日本には大手総合商社が潤沢な資金を元に多くの事業展開を見せていますが、我々のような中小零細商社が大手に飲みこまれないように、隙間をかいくぐりながらも成長をするためには『戦略(tactics)』と『戦術(strategy)』の違いをしっかりと理解しておかなければなりません。
台湾の地場力をどのように日本企業と結びつけることができるか?を考える私たちにとっても死活問題であり、まだ海外との取引経験がほとんどない日本企業が台湾で製品を売ったり、部品を作ったりすることをどうやってお手伝いできるかを考える事が使命でもあります。
とりわけ商社業をしていると、どうしても戦術と戦略がごちゃごちゃになってしまいがちなので注意したいところです。
今後、台湾の市場に自社製品を売り出したい!部品加工をお願いしたい!と考えている中小零細企業の課題と、私達をどのように活用して頂ければ、台湾企業との仕事が運びやすいかを一例を挙げてご紹介します。
戦術と戦略の違いとは
ビジネスにおいて、この2つの違いを案外あやふやに考えている人は多いのですが、戦術とは言い換えれば ”どのようにして?”物事を進めるのかということ。
一方で戦略とは ”何を” ビジネスとしてやっていくのか?ということになります。
例えば、卸商社として何かを仕入れて売るというビジネスをする場合。
何を仕入れるのか?・・・戦略
仕入れたものをどのように売っていくのか?・・・戦術
ということになります。
ここで言いたいことは、まずは戦略をしっかりと考えないといけないということですね。
日本の中小零細企業が台湾に製品を売る、部品を作ってもらうということを考える場合でも、何を売るのか?何を作ってもらうのか?という戦略から先に練ることが重要です。
決まった戦略を遂行するためには、複数の台湾企業と取引が必要!?
自社の経営戦略が決まったところで、どの台湾企業と話をするべきか、したいかというスタートラインに立ちます。
ですが、これまで海外取引の経験がない上に台湾企業のことがさっぱり分からないといことも多いと思います。
海外との貿易サポートをする独立行政法人として有名なのは JETRO ですが、ここから複数の台湾企業を紹介してもらったところで、その先どうしたらよいか分からないということもあるでしょう。
言葉の壁もあるし、紹介してもらった企業だけで戦略は遂行できるのかどうか不安もあったりします。
生産技術や設備状況などはどうなっているのかなど、見えない部分だって沢山あります。
製品というのは、複雑な機械になればなるほど部品数も多くなります。
組み立て作業や梱包など一連の工程を全てクリアできる企業は台湾にもあるでしょうが、年間を通しての生産数などの問題で一蹴されてしまう可能性もあります。
戦略は決まったが、その後の戦術はどうするか?ということについては、特に台湾企業の選別が重要になります。
どこで、何ができるのかを判断していかなければなりません。
台湾は欧米大企業の OEM として、アジア圏では有数の産業国です。
そこで生産される1つの製品の生産数は半端ないですから、それらと比較されてしまうと日本の中小零細企業の引き合いには見向きもしてくれないでしょう。
そうなると、やはり台湾でも地場の中小零細工場を複数社利用してカバーするしかありませんので、取引は1社では済まないだろうということです。
煩雑な取引になるなら台湾商社を利用するほうがベター
製品の製造、部品の加工には必ず付きまとうのが ”品質”だと思います。
特に日本企業の製品という自負を持ちながら戦略を練る段階で、やはりブランドとしての価値を落とすわけにはいきません。
台湾が中国や東南アジアの新興国と比べると、非常に安定した産業国であるとしてもやはり抜け目はあります。
これから展開する事案については、先立って現地視察は必ずしておくべきかと思います。
台湾現地の企業・工場(サプライヤー)もメーカーと直接打ち合わせができれば信頼関係も一層強くなります。
ただ、問題はそういう視察アポをとることが日本の中小零細企業にとってはハードルが高いのが現実です。
特に海外取引経験がなければなおさらです。
そんな時には、台湾商社と取引をして複数社をまとめて管理してもらうのが良い。
製品・部品に関わる全てのサプライヤーの窓口となる商社を見つけることです。
そうすれば、取引は1社で済みますのでお金の流れもやり取りもすごく楽になります。
間に商社が入ることで利益率が・・・という懸念は中小零細企業にとっては大きいようにも思えますが、実際に自社で複数の台湾企業とやり取りをしながら進めていくことの方が事務的・経理的にも煩雑な作業が増え、結果的に大幅に時間をとられてしまいます。
海外送金など面倒!国内企業同士のやり取りだけで済ませたい!という場合の提案
台湾の商社と取引をすることによる煩雑な作業の削減を提案しましたが、それでも海外企業との取引になることに変わりはありません。
中には、あまりややこしいのは嫌。
できれば、日本企業同士のやりとりだけで済ませられないかな?と考える会社も中小零細企業の中にはあるかと思います。
その場合は弊社へお問い合わせ頂ければ大丈夫です。
台湾企業を探すお手伝いや、JETRO から紹介してもらった気になる企業への視察アポの打診を代わりに行います。
もちろん、仕事が決まり案件が進んだ時のお金のやりとりは弊社になりますので海外送金などの心配は不要です。
台湾現地企業の視察をしたいという場合の注意点としては、必ずしも視察させてくれるかどうかは打診してみないと分からないということです。
なので、一先ずはどんな戦略を持っているのかについて打ち合わせをし、どんな台湾企業へ働きかけてみるかを一緒に考えてみると良い戦術が生まれるかもしれませんよ!
もし、台湾で製品を売る・部品を作るということを考えている場合は是非お声を掛けてください!
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