少しでも仕入れ単価を抑えるために海外からの部品調達を考えている会社は多いですが、いざ自分が海外調達を担当することになった時、これまで経験がなければ何から手を付ければよいかわからないことも多いはず。
自社のホームページで海外の協力会社を募ったり、逆に海外の会社のホームページを検索するのもあまり効率的ではありません。
ましてや、英語・中国語・韓国語など言語の壁があると飛び込み営業のように海外の会社へ問い合わせすることにも非常に不安要素が残ってしまいます。
果たして確かなものができるのかどうかも実績すらわからないまま注文を出すのも恐ろしい限りですしね。
また、利益面では為替レートを常に意識しておかなければ、発注規模が大きくなるほどダメージも大きくなりますし、初めての取引においてはちゃんとモノが届くかどうかも不安です。
仮に上手く取引ができそうになったとても、やはり現地視察はしておきたいところ。
さらに、部品の種類が変われば探すべき海外の加工会社も変えなければならないかもしれません。
そうなると、時間も費用も想像以上に必要になると思っておく必要があります。
このように、実際に初めて海外からの部品調達をする場合は非常に大きな労力が必要になるため、計画が頓挫してしまっている会社も多いようです。
ですが、海外からの部品調達をあきらめる必要はありません。
むしろ、もっと労力を軽減させながらも部品調達のルートを探す方法をご紹介します。
部品の種類で変わる海外調達先
製造業には逆見本市というものがあり、仕事の依頼を考えている会社が発注したい加工品を展示することで外注先を募る方法があります。
この場合ですと、求める外注先が見つかる可能性が高いのですが逆見本市というものに出向かなければならない煩わしさが残ります。
特に外注先に求めるべき加工内容(製品)がいくつもの種類に分かれる場合は、1つ1つ別の会社を探さないといけないこともあり、それは種類だけでなくロット数によっても同じことが言えます。
数量に関する認識は海外と日本では大きくズレがあることも覚えておく必要があります。
数百個レベルの発注で「ロット数が多いから」と価格交渉をしても、なかなか前向きに対応してもらえないことも。
その理由の1つが欧米諸国企業と比較されてしまうことにあるのです。
中国や台湾では、欧米諸国からの注文も受けているところが多いのですが、欧米が日本と異なるのはその発注量です。
最低でも1ロット数万個、時には数十万個、数百万個にもなる量を受発注しているようです。
欧米企業はこのような発注数によって価格のメリットを出していると言えるのですが、日本の場合は在庫を持たないスタイルが広がっている影響か1ロットの発注数が非常に少ないのが特徴です。
多くても数千個、数万個レベルであり、こうなると送料などを加味すると海外から調達する価格的なメリットが得にくい状況になってしまいます。
ですが、逆にロット数が多く納期も1カ月スパン以上を確保できるのであれば、海外生産を視野にいれてしかるべきかもしれません。
もちろん、単品加工で短納期対応をしてくれる海外の加工先はあります。
特に台湾は日本に近く、現地発送の翌日には日本に届くこともあります。
単品加工の場合、価格は期待するほどではありませんが外注先の1つとして押さえておくのもおススメですね。
スピーディな対応が可能なのは、台湾ならではではないかと思います。
すでに海外ルートを持つ国内企業に窓口になってもらう
日本国内には海外からの部品調達を請け負っている会社があり、中国や台湾、韓国、ベトナム、タイなど様々な国で協力会社を見つけているようです。
こういった商社企業に部品調達を依頼するのも1つの方法であり、その場合、取引は国内ですから取引通貨も「円」で済みます。
為替レート変動の懸念についても、相手企業に任せることができますね。
デメリットはマージンをとられること及び、加工先の情報を一切知ることができない可能性が高いことです。
中には、海外支社として工場を持っている企業もあり、その場合は情報がわかります。
弊社の場合は、必要であればメーカー様の現地視察も可能であり、協力工場の見学案内も担当がいたします。
商社を利用することで価格的なデメリットを強く感じる場合は、どうしても自社で開拓するしかありませんが海外現地の「情報」を収集する力は専門にしているところには及ばないでしょう。
情報とは、どこにどのような加工会社があってどのような繋がりを持っているのか。
あるいは、実際の工場の現場はどのような状況なのかとういことを指します。
これらの情報は現地視察と聞き込みが最も有力ですから、経験が浅いのであれば商社に価格と品質に納得のいく海外調達先を探してもらうのが賢い方法ではないかと思います。
台湾の量産OEM、EMS
海外からの部品調達をする上で量産品であれば、実績のある会社を探すことが大前提になります。
海外企業が「有名な大手企業と取引がある」という実績を持ちたがる理由はそこにあるのです。
台湾には多くの優良企業が存在しますが、その形態はメーカーというよりもOEM( original equipment manufacturer)という他社ブランドの製品を代わりに製造することを主軸とした営業をしているところが多いです。
例えば、油圧や空圧製品のアメリカ大手メーカーであるパーカー・ハネフィンのOEMも台湾にあります。
「PARKER」と「TAIWAN」という刻印が見れますね。
パーカー・ハネフィンを知っている人ならば、この製品を製造している台湾企業の安心感がわかると思います。
検査体制も整っているからこそ、大手メーカーが利用しているという証拠です。
あるいは、以前の記事でも書いていますがアメリカの大手電気自動車メーカーTesla mortors(テスラ・モータース)の部品も台湾で多く製造されています。

この他にも、最大手であれば iPhone などのアップル社製品を製造するのがフォックスコン。
日本のシャープを買収した鴻海精密工業もフォックスコングループの1つであり、EMSを行う世界最大規模の台湾企業です。
EMSとは他社メーカーの電子機器の受注生産を行うことを指します。
もしも、大量生産品を海外調達で考えているならこうした企業を利用してみることを視野にいれてみてはいかがでしょう。
その場合も、『台湾izm』を通して弊社にお声をおかけくだされば出来る限り活動いたします。
現地視察と営業周りの積み重ねがベストパートナー発見のカギ
海外からの部品調達先として、自社で自ら上記に挙げたような大手企業に飛び込みをかけるのはハードルが高いかもしれませんが、実は他にも小回りのきく優良な中小企業が台湾には沢山あるはずです。
特に、発注ロット数が数十万個、数百万個なんて用意できないという場合こそ、中小企業に掛け合うと良い結果が得られる可能性が高いですね。
中小企業を見つける方法はやっぱり現地視察と聞き込み、あるいは企業組合に紹介してもらい実際に訪れてみるしかありません。
実は、台湾の中小企業も仕事を探すのに必死です。
今は忙しくても、息の長い仕事である保証はありませんし、できれば実績として海外からの受注品を作っていると言いたいのです。
ですが、陰に隠れて「仕事が欲しい!」と叫ぶ優良企業を見つけるのは難しい。
だからこそ、現地で動ける人がいる商社に海外調達の相談をすることを私が強くお勧めする理由なのです。


少ない労力で海外からの部品調達先を見つけるための方法とは
海外からの部品調達のために、頻繁に海外へ渡航していては時間も労力も限界があります。
ましてや、言葉の問題も都度発生しますしね。
如何にして、少ない労力で多様な加工ができる会社を探せるかについてはやはり現地商社に任せるのが一番です。
私たちが知らない企業情報を沢山もっています。
もしも、台湾での部品調達を考えるならば是非、お問い合わせください。
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