台湾工場の品質管理と日本の”過剰品質”との戦い

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海外生産における加工品の品質検査と品質管理は工場の責任って思っていたら危ないですよ。

『こんにちは!台湾でのものづくり依頼をお受けするリンです』

日本のものづくりにおいて、特に自動車産業部品では一部の製品群で「過剰品質」が問題になることはありますが、品質を突き詰めていけば「芸術品」を作るようなレベルになってしまい、使えるか使えないかの問題とは別のところに行き着いてしまいます。

それだけ、日本の製造業の技術レベルが高いことを意味しているのと、消費者の目が肥えてきてしまい高水準の製品であって当たり前のようになっているのかもしれません。

さて、今回は私が加工品は「品質が命」ですってことに関して、日本の仕事をお受けする中でヒシヒシと感じる部分が多く、それを台湾の協力会社さんに伝達する中でもがいていることを書いてみようかと思います。

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日本の品質保証を守れ!それが台湾企業の課題

日本に就職し、台湾に戻ってからも日本のお客様からの依頼をお受けする中で、納期や単価も仕事の鍵になるですが、特に日本向けの品物は何より品質が一番重要だと深く感じました。

台湾のお客さんは単価が安い品物に対して、物が使えれば外観はあんまり要求しないのが一般です。

日本でも所々でそういう感じにやれるお仕事はありますけど少ないですね。

とりわけ、台湾で製作したものを日本に送るということは、輸出品になるということです。

使えたらいいやん♪ っていうのは、輸出品に通用しないです!

何故なら、一度海外に送った商品はそんな簡単に「修正しますわ!」って戻してもらえないからです。

そこんところ、台湾の一部の企業さんは早く理解して欲しいですね

(;´・ω・)

台湾の零細企業における品質管理の日常

大企業・中企業は別として、台湾国内の小企業・零細企業における品質管理の日常にはバラつきが非常に大きい。

ちゃんとしてくれるところもあれば、そうでないところも。

  • はい~完成したぜ!
  • 使ってみて!
  • ダメでしたら持って来て、俺が再修正したらええや!かまへんかまへん~

こういう恐ろしいパータンになるとドキドキものです。

「だ、か、ら、何回説明したら分かるだろう?!海外の仕事がしたい場合、これでは通用しませんって!!!」よく工場に叫びました!

(心の奥でね((^_^;)))

表は笑顔プラスお願いの姿勢で説明をいたしました。

ところで、台湾は欧米からの依頼を受けることもたくさんあります。

欧米のお客さんは台湾製の品質が安定した後、毎年のように「何パーセントかをコストダウンしてください」と商談をしてくるそうです。

特に量産品の場合ですね。

その条件を飲まないともしかして工場を切り替えられてしまう不安が残ります。

その結果、多くの台湾工場は頑張って単価を合せるように努力しました。

自社の利益を減らしてでもです。

じゃあ、私のような商社にとってはどうしたらいいでしょうか。

全部を工場に任せたら済みますか?

通常の流れから考えると

日本から注文をもらって→リンちゃん(商社)は台湾の工場に発注→台湾工場製作・測定検査・梱包出荷という流れでしょう。

これだけだと、リンちゃんは楽々で仕事できるんですね。

ええな!ええな!と言われそうです。

でも~今までの経験により、そうにはならないですね。

((-_-。)(。-_-))イエイエ

もうね、最初の頃は心配で眠れなかった日々でした。

台湾に仕事を依頼する「商社」の役割

私は工場が無責任であることを強調してるわけじゃなくて、商社がやるべき仕事は発注だけではないということを言いたいんです。

よく周りの人に言われたのは

  • 品質は工場の責任です。品質保証が当たり前。
  • 商社はそこまでしないですよ。(立ち合い検査、セット品の合わせチェック)
  • 全数検査は必要ありますか。

はいはい!おっしゃってる事は分かりますよ。

でも、商社と工場の役割や責任を切り分ける前に、どうすれば日本のお客様に安心感を与えられるのかが私にとって重要な課題だと思います。

責任は必要な範囲だけするものじゃなく、出来る範囲までしなければならないものと思っています。

台湾製の良さを日本に伝えるために私ができること

せっかくお仕事をくださった日本のお客様に不良品を納品して、「それは工場が悪いですね。」、「工場の責任です。」とか言えますか?

それはないでしょう。

時々、格安で海外製の部品加工ができますよ!っていう会社があるようですけど、現地での品質管理は現地工場に完全委任し、納品後の不良品に関しては責任を全て海外企業に転嫁しちゃう悪~い人もいます。

それは許せません!!

お仕事を受けた以上、受けた者にも管理責任はあります。

例えば、私達の場合だと、日本からまずお仕事を受けるのは本ブログの管理人が経営する有限会社平野製作所です。

そして、平野製作所⇒鑫嘉豐實業有限公司(リンちゃんの会社)⇒台湾企業

という流れですね。

品質管理責任は私達全ての会社にあります。

もしも不良品が出た場合、誰が悪い!とかではなく、みんなの責任になるのです。

この記事を通じて、リンちゃんが行っている今の仕事の進め方を皆さんに理解してもらい、安心してりんちゃんにお仕事を任せてもらえたらいいな~と思います。

もちろん、アドバイスもいただきたいですね。

新規の工場に必ず同行立ち合い検査します

写真は協力工場の会議室です。

品物を整理箱に分類し、数量を確認してから検査室へ。

仕事をお願いする前に、社内の検査設備と測定仕方を担当から説明してもらいます。

また、毎回納品するとともに検査表を必ず添付するため、検査表の記入方も確認します。

最初、社員でもない人間(リンちゃん)を工場に入れて一緒に検査するのは、工場側にとっては多少抵抗はあったようですが、

事前に社長へ事情を説明したら、ほとんどOKをもらえます。

ラッキー!

工場内で立ち合い検査のメリット

◎作業員の動きを見れば、測定レベルやセンスが分かります。

◎ノギス測定により個人誤差を最小限に抑えるため、数回測ることもできます。

◎営業や事務を通さず、直接現場の方に説明できるため、要望を確実に伝えることができる。

◎問題をその場で解決できて、時間が無駄にならない。

特に完成した製品の見た目チェックは大きい。

少しでもダコンやキズが付いてしまった物を見つけたら、その場で研磨したら綺麗になります。(寸法公差の許容範囲で)

寸法の問題じゃないけど、綺麗なものをお客様に渡したい気持ちですね。

下記の写真は一例です。

品物は使用上で支障はないのですが、お客様にお届けするには少し足りない気がしますね。

ひと工夫を加えば、商品価値がUP!

全数検査を行うこと

検査は意外とコストにも影響を与えます。

理想的なのは全数検査ですが、単価が安く検査の個数が多い量産品に関して全数検査を行うにはコストがかかりすぎてしまい、工場は抜き取り検査になるケースが多いです。

でも、抜き取り検査は製品の中にひとつも不良が入ってないと保証することはできず、万が一お客様からの信用を失ってしまうかもしれないです。

その壁を越えられたら、品質がより一層高まると思い、なるべく全数検査を行っています

数千個、数万個単位の受注品になると、流石にそれは不可能に近いです・・・

でも、そのような受注品はお客様も理解をしてくれているので「全数検査の有無」に関して大きな問題が発生することはありません。

また、付属品(ベアリングやシャフトなど)がある場合、発送する前に一度合せてみます。

穴サイズ、ねじサイズ、タップの深さもできる限り、確認したりします。

一例の写真を送ります。

その中にベアリング合わせってる動画を取って、管理人である平野さんに送りました。

この女の子~恐ろしいwww

と言わしめました(イヒヒ!)

長い付き合いのある工場から納品された品物でも一度開封して確認すること

時間と距離により、台湾の協力会社からリンちゃんの会社に一旦製品を納品してもらうときには台湾国内宅急便を利用するときがあります。

弊社の基準をよく理解できてる協力会社と品質がある程度安定してる会社は直接弊社(鑫嘉豐實業有限公司)へ納品してもらいます。

私が仕事を依頼している工場は台北、台南、高尾など方々にありますが、台湾って小さな島国ですけど、流石に南北を車や電車で移動するには時間がかなり無駄になってしまうのです。

間違っても、そのまま工場から日本の平野さんへ送ったらダメですよ!

品物を開けて、検査表を確認して、運送途中にキズつかないように厳重梱包します。

(多層包装を全部解くのはかなり時間かかりるですね。平野さんゴメン!)

m(_ _”m)ペコリ

これも、かつて某有名な運送会社で働いた経験がリンちゃんにはあるので強みです!

このように、日本の品質に応じるためには、品物が海を渡る以上は色々と気を使わなければならない点が多いです。

それをないがしろにしてしまうと、せっかくキレイに仕上がった製品もお客様の手元に届くときにはボコボコなんてことも。

梱包って大事ですよ。

これからも、製品チェックと梱包など頑張っていきたいと思います。

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