2017年、台湾では1月27日が旧正月(春節)の大晦日となっており、2月2日までがむこうのお正月です。
もう1月半ばから台湾のみなさん浮足立っていますよ。
仕事の依頼や相談にしても、会社によっては「もうそろそろ、特急品とかの相談はやめてくれ~」って感じになっています。
お休みモードに突入ってわけです。
そりゃそうか。
1年で最も長い連休ですからねぇ。
なので、海外で特に中国や台湾に部品加工などの依頼をしている会社さんは、毎年この旧正月の付近で納期等で悩まされることが多いんです。
旧正月(春節)とは?
毎年、1月末から2月初頭にかけて台湾や中国での旧正月(春節)の話題が出てくるが、ところで旧正月って何なの?
そう思ったことがありませんか?
旧暦の正月のことだろって思いつつも、何で中華圏の人たちは旧暦の正月を祝うのだろうか。
なぜ、世界中で採用されている新暦(グレゴリオ暦)の正月じゃないのか。
そこが疑問に思うところ。
今年は1月28日が旧暦の1月1日(正月)です。
「今年は」と書いているのは、毎年旧暦の正月が現行のグレゴリオ暦と少しずつズレが生じるためです。
毎年、旧正月がかわるのだ。
太陽暦と太陰暦
現行の暦であるグレゴリオ暦が太陽暦であり、1582年にローマ教皇によって制定されて以来世界各国で用いられている。
これは地球が太陽の周りを回る周期をもとに制定された暦のことで、4年に1度の閏年が設けられているのは、地球が太陽の周りを回る公転周期がきっちりと365日ではなく、365.24219日とズレがあるからです。
一方で、旧正月(春節)を祝う旧暦とは月の満ち欠けの周期をもとにした暦のことです。
日本でも明治にグレゴリオ暦が採用されるまでは、旧暦(天保暦)を用いていましたが、これは太陽太陰暦と呼び月の満ち欠けだけでなく、太陽の動きも考慮して制定される暦です。
カレンダーに月の満ち欠けの絵が描かれているのを見たことはありませんか?
あれは旧暦の名残です。
何故、台湾では旧暦の正月を春節として祝うのか?
1912年に中国でも太陽暦(グレゴリオ暦)が新暦として制定されましたが、今に至るまで旧暦の1月1日を「春節」として盛大に祝う風習が残っている。
春節の時には、中華圏の国中が真っ赤に染まり日本の正月よりもお祝いムードが非常に大きい印象がある。
現在、中華圏で旧暦と言われている暦のはじまりは、中国史の漢の時代である。
その旧暦は清朝まで続き、清が滅亡してグレゴリオ暦に移行した。
実質、約190年間使用された暦だ。
新暦が中国で制定されてからも、新暦の正月は「元旦」、旧暦の正月を「春節」と決定されて今に至る。
190年というと、人生60年だとすれば3世代くらいに渡って親しまれる暦でもある。
日本の江戸時代ですら、長く続いた時代と言われるが265年間。
それに匹敵するぐらいの年数だからこそ、この間に築きあげられた伝統や文化などもあるはず。
旧正月(春節)はそれだけ民衆の間に広く深く浸透した風習ですから、「さぁ、明日から新暦でいきますよ!」なんて言われてもしっくりこないまま、やっぱり今までのお正月はお正月として祝いましょうよ!ってなったのだろう。
台湾と仕事をする時には、旧正月(春節)に注意
このように、台湾を含む中華圏では旧正月(春節)を盛大に祝賀する風習が残っている。
なので、中華圏の会社と仕事をしている場合には、旧正月のことは頭の中に入れておかないとダメだ。
とりわけ、弊社を含む部品加工業だと納期の問題が大きい。
昨今は納期の遅れは絶対に許さない!なんて言う会社も多いし、短納期・納期約束を売りにしている会社もある。
予定では台湾で作ってもらうはずだった部品が、旧正月の絡みで納期対応できないとなった場合、急遽、日本国内で対応せざるを得ない状況になるなんてこともある。
大手会社だと、大量に海外で生産していた部品をこの時期だけ、どっさりと国内に発注をばらまくケースだってある。
それを知らずに、仕事がたくさん入ってきた♪と喜んでいる零細企業があるけれど、一時的なものであって継続的な仕事ではないので注意したい。
コメント