台南の定番朝食の『牛肉湯(ニウロウタン)』が定番になった理由

台湾文化

日本の朝食は「白いご飯に味噌汁と鮭に漬物」っていう定番メニューがあるように、台湾ー台南でも同じく、定番の朝食メニューってのがある。

 

それが『牛肉湯』

台湾全土ではなく、台南の朝飯。

牛肉をスライスしたものを、特製のスープに入れたシンプルな料理です。

 

一度見たことがある人は分かるが、とにかく一般庶民の見た目とそれを裏切らない味がする。

そう、こういう庶民的な味というのが台南の”色”だと言うべきだろう。

 

 

台湾は近年、中国資本が入ってきてから急速に発展してきました。

特に台北高雄を中心に都会化した様子は昔の日本(高度経済成長期)を彷彿とさせます。

 

でも、台南は台北や高雄とはちょっと街の雰囲気が違う。

歴史的建造物も多く残っているが、街の中に上手く溶け込んでいることもあり、どことなく随所に懐かしさという匂いがふわっと香る気がするのだ。

 

時々、「台湾の台南」が「日本の京都」に例えて表現されることもあるが、ちょっと違う。

京都が理路整然とした佇まいを築いているとするならば、台南は庶民の日常が混沌に存在しているかのようにも感じ取れる。

 

簡単に言うならば、京都は美観が際立つが、台南はそこかしらに覗くことのできる泥臭い生活臭が文化として成立しているのだ。

 

 

つまり、台北や高雄が ”お金を稼ぐ街” なら、台南は ”生活をする街” っていイメージがよく似合う。

 

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これらは、以前に書いた記事だがいずれも台南にあるスポットです。

是非、台南を訪れた際には立ち寄ってみてほしい。

 

さて、台南に行ったなら観光名所を回ると同時にご当地グルメも堪能しておかなきゃなりませんよね。

昨年に私が台南を訪れた際に食べたご当地朝食に『牛肉湯(ニウロウタン)』があるが、これはまた見た目のボリュームとは裏腹に美味かったのでペロリと間食した。

 

とりあえず、B級グルメに該当するものだが味わっておくべきかと思う。

そして、1回デブになってしまえ。

美味い物は多いぞ。

 

ところで、何で朝っぱらからヘビーな牛肉を台南の人は食べるんだろうって思いませんか?



台湾の味を語るのなら、屋台やお店で手軽に食べる一品中華料理から

台湾の庶民の味はB級グルメと言える。

まぁ、台湾でなくても庶民の味はB級グルメが多いんだがな。

 

そんなことより、台湾のB級グルメを語る上で欠かすことができない単語がある。

それが『小吃(シアオチー)』です。

 

小吃というのは屋台やお店で手軽に食べられる即席一品料理と思えばよい。

素早く食う!という意味では吉野家の牛丼も然り。

私は吉牛が大好きだ。

庶民だから。

 

って話がおかしくなりそうなので、戻すとしよう。

とりわけ、台南エリアは台湾の歴史的成り立ちの起点にもなっている重要な地であり、それが小吃と深く関係しているのです。

 

元々、台湾は清国(中国本土)の管轄地ではあったのですが、統治権がオランダ→日本を経て今に至るわけです。

以下の記事でも触れていますが、昔に清国から海を渡って台湾島へ入ってきた漢民族が現在の台湾人の祖先にもなる。

 

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ただし、清国からの移民は妻帯者が禁じられていました。

つまり、独身男性しか台湾島には移住できなかったんです。

 

 

今も昔も独身男性は料理ベタなヤツが多いってことが理由なのか知りませんけれど、身近にある材料を簡単な調理法で作れる食べ物が流行したのです。

それが、今の屋台料理とも言われていて、小吃とも呼ぶのです。

 

今の時代はコンビニもあるし、スーパーの総菜だって結構安く買える。

毎日、居酒屋とか定食屋に通っていると金がいくらあっても足りないが、台湾の屋台では昔の独身貴族たちの財布に優しいおもてなしをしてくれていたってわけ。

 

 

台南の朝が牛肉スープから始まる理由

歴史的背景にある「手軽」「身近な材料」という2つのキーワードを満たすのがこの牛肉スープ『牛肉湯』なわけです。

 

手軽に作れる、食べられるという面では、まさしく屋台料理にもってこいな感じです。

というのも、牛肉湯の具材は牛肉だけ。

その他には何も入っていない。

 

シンプル イズ ベスト!!

 

とにかく、生の牛肉にスープをぶっかけて食べる。

アクセント代わりに刻んだショウガを入れて食べる。

牛肉は少しトロミがあって甘みのする醤油ダレにつけてショウガと一緒に食べる。

ついでに白飯を頼んで食べる。

 

美味いのオンパレードだ。

 

牛肉スープと聞けば、どうしてもコッテリとした味をイメージするのだが、意外や意外。

かなりあっさりとした味です。

朝から・・・・と思ったら完食している自分がいた。

 

台南の街中で「牛肉湯」と看板がかかっているお店はよく見れば結構あるようだが、時には看板がない店もある。

いずれも、ホームページなんてないので自力で探すかガイドブックや訪問ブログ記事なんかを参考にするとよい。

 

有名店は行列ができていることも多いので、早起きをして行くことを勧める。

 

どこも同じ味かと思いきや、出汁(スープ)の味付けに差があったり、入れる牛肉だって切り方が薄い、分厚いなど違いや使用する部位の違いはあるみたい。

一応は、牛肉湯に使うスープは牛骨・野菜などを煮込んで作る。

 

 

私は有名店ではなさそうなところで食ったが、美味かったで。

一見すると、どこに店あるん??ってなるから行くなら気を付けて。

 



場所は台南市のど真ん中ですわ。

 

 

台南で「牛肉湯」が伝統になったのは、牛の処理場があるから

牛肉湯に入れる牛肉はその日の朝に仕入れてさばいて売ってしまう。

なので、毎日新鮮な牛肉が使用されるわけ。

店によっては、午前中に完売閉店なんてところもある。

 

売り切れ次第終了ってわけね。

 

実際に、店に行けばわかりますけど結構多くの人が早朝から食べに来ている。

ちょっとボロい机とイスが無造作に置かれ、適当に相席しながら食べるのが普通だ。

わざわざ「ココいいですか?」なんて律儀に聞くのは日本人くらいか?

 

正直、朝食としてはそんなに値段は安くもないが、高くもない。

100円マックに行く方が断然安いだろう。

それでも、牛肉湯が食べたくなるんだろうね。

 

それが伝統の定番メニューの証とも言える。

 

 

そんな定番メニューを可能にしているのが、台南にある台湾最大規模の牛の処理場だ。

ここがあるからこそ、台南で『牛肉湯』が発達したと言っても過言ではない。

そう、牛肉が「身近な材料」と化したのはこういう理由。

 

 

まずは行ってみたいハズレなしの牛肉湯店

私が訪れた牛肉湯のお店は観光目的で台湾を訪れたわけではなく、時間的にもあまり余裕がなかったこともあり、ホテルから程近くそこまで混んでいないお店にしてもらったのだが、観光で台湾・台南に行くなら外せないお店ってのもある。

ここではそれを紹介しよう。

 

六千牛肉湯


朝5時から営業しているが、売り切れ次第終了なので早朝の起床が苦手でなければ、早めに行くべきお店。

定休日は火曜日。

 

 

石精臼牛肉湯



夜中1時半~朝11時、17時~23時の営業で、ちょっと他のお店と営業時間が違うので注意したい。

定休日は火曜日。

 

 

府城牛肉湯



お店の場所がすごくわかりにくい。。。

そして、すごく小さなお店。

だいたい16時~翌朝5時まで営業していて、定休日は月曜日。

ちょっとマイナーかもしれないし、一瞬入るのに躊躇するかも。

 

 

阿村第二代牛肉湯



4~10時までと、18時からの営業。

売切れ次第終了なのでここも注意しておきたい。

月曜日の夜と火曜日の朝が定休日です。

 

定評があって地元民からも好かれる安心したお店ってイメージです。

こじんまりとしているのが良い。

 

 

ここで紹介したお店以外にも牛肉湯を提供しているお店は沢山ある。

しかも、近くにかたまっていることも多いので街中を歩いて探すのもよいかもしれない。

 

決して小奇麗な店は少ないが、庶民の味が楽しめるので是非とも一度は味わうべきだろう。

もしかすると、とりこになるかもよ!!

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