以前より弊社・有限会社平野製作所のビジネスパートナーである台湾の鑫嘉豐實業有限公司(HCF株式会社)のリンちゃんには、台湾での部品加工における管理マネジメントにおいてすごくお世話になっている。
だけど、やっぱり全てのことを網羅的に管轄することは難しく、所々で問題が発生したりもするのです。
実質、リンちゃん自身もまだまだ勉強中というところなので・・・
正直、こんな事を書いてしまうと海外生産の受注に影響があるのではないか?とも思ってしまいがちですけれど、私の信条はウソにウソを重ねて仕事を進めたくないということなので、おかまいなしに赤裸々に書いてしまいます。
そんなこと、当たり前だと思いますか?
でも、結構適当にやっているところは多い気がしますし、私がその被害を被ったケースだってあるので、尚更良い事ばかりをPRしようとは思わない。
私が見て欲しいのは、私たちの仕事に対する姿勢です。
ちょっと物足りない部品加工の感覚
台湾も中国も全ての会社で同じ事が言えるというわけではないが、私の経験上何故かワイヤー加工を多用するのです。
ワイヤー加工というのは細い真鍮製のワイヤー線(線径は色々あるが、0.4mmくらいのものが多いかな)に電流を流しながら、金属の加工物に近づけてスパーク溶解させながら切っていく加工方法の1つです。
加工のイメージは豆腐を細い糸で切る感じ。
ワイヤー加工のメリットは、刃物切削では加工できないような硬い金属でも溶かすことができれば加工できるという点。
もう1つは、刃物切削では加工できない複雑な形状も高精度で加工できる点。
ただ、どうしても加工スピードは刃物切削と比べて遅いですし高コストになるので、必要最小限に留めるのが私達のスタンスですね。
ところが普段、私達が日本で部品加工する場合は刃物で切削加工するようなところも、台湾や中国の加工屋さんはわざわざ?ワイヤー加工をしてくる。
時々、何で?って思うことがあるのです。
台湾ではワイヤー加工の方が安上がりと聞いたことがあるが、何でだろう??
まぁ、コストが合えばいいか・・・と思っていましたが、思わぬ落とし穴もあったのです。。。
今でこそ無くなりましたが、かつて中国の加工会社に部品加工を依頼してテスト的に提供してもらったものが、ワイヤー加工したものでした。
普段、弊社で作るならば切削加工のところもやっぱりワイヤー加工。
だけど、ワイヤー加工した面がノコギリで削りました!?っていうくらいのザラザラ、ボコボコの面だったのです。
最初、ほんまにワイヤー加工か?と疑ったものですが、正真正銘ワイヤー加工だと。
結局、ワイヤー加工の加工条件出しという技術面での稚拙さがモロに出てしまっていて、今後もその加工会社に加工依頼を出す事はありません。。。
製品としてお客様に提供できないものだったので(涙)
これはほんの一例ですけれど、細かい点で海外の加工会社を見極めていかないといけない部分は多い。
キレイなホームページを開設している中国や台湾の加工会社も多いですけれど、よくよく見ていると「何かおかしいぞ?」っていう製品画像とか、材質とか発見した時には絶対に問い合わせを私はしません。
だって、騙される可能性があるので。。。
部品加工の感覚というのも、経験を養った上に出来上がるものなので本を読んだだけでは習得できないこともあるのです。
そこを駆使して、海外の加工屋さんを見極めないといけません。
台湾でマネジメントをしてくれる相棒の成長
海外の加工屋探しには慎重に慎重を重ねる必要があるものの、日本にいる我々が頻繁に現地へ赴くには時間的にも経費的にもコストパフォーマンスが悪すぎます。
大手企業のように、現地支社があって駐在するスタッフがいて・・・というのは、零細企業にとっては夢の話なのです。
そんな中で、台湾現地で弊社と提携して頑張ってくれる人がいるのは非常に心強い。
それが鑫嘉豐實業有限公司(HCF株式会社)のリンちゃんですね。
あ~、出会えて良かった(^^)
一方で、最近でも台湾のリンちゃんから1通のメールでこんな画像をもらいました。
内容は、ワイヤー加工した面がザラザラしているけど、これは酸化しているのですか?というもの。
画像には左側に研磨処理した面が比較されていますね。
って、当たり前やん!!
と知っている人なら叫ぶところですが、現状はこんなレベルです。
ワイヤー加工(1回カット)した面が研磨加工した面と同等レベルになるはずがないということは、常識なんですが、知らないと「何でだろう?」と悩むんです。
でも大事なことは「何でだろう?」と疑問に思えることです。
その気付きや疑問が起こる事が次なる成長へと続くわけですよね。
それに対して、1つ1つ可能な範囲でアドバイスしていくのが私の務めなのです。
そうやって、リンちゃんも成長してくれますので将来的には頼りになるパートナーへと変貌するだろうと願っています(笑)
そういう点で私は彼女(リンちゃん)に期待しているのです。
毎日、あちらこちらを駆け巡って、検品・梱包してはDHLで発送もしてくれます。
たまには日本に来てもらうので、協力会社さん等へ案内したりしながら加工の知識なども含めて伝授したいと思っています。
そうやって、より協力会社のネットワークを拡充できるようにしたいですね。
海外の加工屋さんとの意識のマッチングを目指した成長
日本の常識を押し付けると言えば聞こえが悪いですが、日本から発注する以上は日本の基準にある程度沿った製品を提供してもらわないといけません。
台湾現地ではまかり通っていたことも、日本ではクレームになることもあるよって伝えないといけません。
そういうことを繰り返しながら、共にタッグを組める企業同士になれるのではと私達は思っているので、文句もクレームも沢山言います。
常に改善、改善で最終的には、図面さえ渡せば何も言わずとも、満足できる製品を提供してもらえるレベルにまで押し上げることが1社1社の目標。
中には、当然すでに出来上がっている会社もあります。
何の心配もしなくていいだろうっていう会社。
もう、その辺りは日本だろうが、台湾であろうが、中国であろうが同じですね。
強い会社もあれば、弱い会社もあるってこと。
だからといって、強い会社だけと付き合えば良いというわけではない。
成長できそうな会社であれば、今後を見据えて一緒に頑張りたいのだ。
ま、そのためにも是非ともリンちゃんには頑張ってもらいたいね。
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