こんにちは!
今回は台湾の観光のディープスポットと呼べるかどうか分かりませんが、マイナーな情報をお届けしようと思います。
そこは台湾の現代アートとも呼べる世界。
『虹の村』です。
行き方と、虹の村以外にもあるアートスポットも紹介します。
「ものづくり」をテーマにした観光のすすめについては過去にも記事を書いていますが、また違った視点からの紹介になります。
夜市とか寺社、台北だけが台湾の観光スポットではないことをに加えて、田舎の村でも多くの人を集めるためにみんな色々考えているんですよってことをお伝えできればいいかなと思います。
過疎化と高齢化が生んだ台湾の現代アートの村「虹の村」
現代アートの村を紹介する前に、何でそんな村が出来上がったのかについても言及しておこうかと思います。
そんなのどーでもええわ!って人は読み飛ばしてくれても大丈夫。
でも、背景に何があったのかを知ると、ますますディープスポットの観光が楽しくなるのではないかとも思います。
さて、台湾の総人口は約2300万人、22つの縣市(台湾の行政区分)に分けられています。
人口密度から見ると1/3の人が北部(台北市・新北市)に住んでいます。
すごい人口密度。。。
残り73%の人が6つの主要都市(台北市・新北市・桃園市・台南市・高雄市)に集中しており、他の都市にはほとんどお年寄りしか住んでいないのです。
都市化が進むと共に周辺の過疎地域が直面する課題は日本も台湾も同じことです。
最初は人口が減り、特別な資源が少ないので生活や交通も段々不便となり、仕事も無くて労働人口が戻ってこない、もちろん観光客も減ります。
そうやって街が衰退することによる地域経済の悪循環は地域の高齢化問題にも繋がるのです。
こうした台湾の地域産業の衰退問題を解決するために、ある地域では面白い取り組みが行われているのです。
その一例が今回紹介する台湾の現代アートの村なんです。
赤レンガの壁をアートキャンバスに!『虹の村』はこうして出来た!
何だか不思議な感じの風景でしょ?
こちら、元々は台湾の田舎町にある古い赤いレンガの壁だったんです。
何の見どころも特徴もない、ただの壁。
この赤レンガの壁の上に絵を描く ”アート” で話題を呼んだのが上の画像。
非常にカラフルな建物が並んだ場所で、最近ジワジワと人気が出てきています。
場所は台中にある彩虹脊村(ツアイ ホン ジュア ンツン)!!
通称「虹の村」と呼ばれる台中市の公務員寮みたいな施設。
でも、その背景には色々と紆余曲折があったのです。
今では観光客を含めた多くの人が「田舎アート」に引かれて、地域活性化のための諸活動を始めているのですが、脊村(ジュエンツン)とは元々、第2次世界大戦後、蒋介石率いる国民党軍が台湾に進駐し、統治を始めた際に一緒に移住してきた軍人たちが暮らす地域だったのです。
ところが年月が過ぎ、20年前からこういう集合住宅には住人が減少し、治安が悪くった理由で都市開発企画とともに古い寮を取り壊し、新しいマンションに建て替えられました。
このままでは、この村も消滅してしまう。。。
取り壊されて終わりだ。。。
この脊村(ジュエンツン)に愛着のある地元民にとってみれば、故郷を失うのと同じ。
自分が育ってきた場所が地図から消えるのは悲しいですよね。
そこで、もっと多くの人に認めてもらう。
注目してもらう。
そして来てもらう。
そうすれば、きっとまたこの村は生き返るはずだ!
ということで、思いついたアイデアが壁に絵を描くということでした。
ところで、「古い家の壁に絵を描く」というアイデアは誰の発想でしょうか。
何か日本やアメリカの路地裏とかシャッターとかに、カラースプレーなどでいたずらかわからりませんけど、落書きのようなアートのようなものを描いているのを見ることはありますけれど、少し趣旨が違いますので、そこは前置きしておきますね。
さて、壁に描く絵によって村を救う!
そんな意思の基に「虹の村」を創ったのは通称「虹おじさん」と呼ばれるおじいちゃんです。
このおじいちゃんこそが、先ほど蔣介石と一緒に中国から渡って来た軍人さんなんですね。
おじいちゃんの名前は黄永阜さん。
2008年、後に『虹の村』となる虹おじさんが住んでる村も都市開発企画の土地となります。
長年住んでいる家が全部なくなるのは悲しく、何とかして自分が住んでいる村を残したいと思った90歳の虹おじさんは家の壁に絵を描き始めたのです。
絵を描き注目されることで、行政も村の保存を考えてくれることを期待したのですね。
ちょっとした観光地に今ではなっています。
こちらはライトアップしている様子。
写真の通り、カラフルなスタイルでしょ。
これが「虹の村」と呼ばれる所以です。
段々人が集められて、「虹の村」の名前が広がり、台中人気観光スポットとなっているので、知っている人はいるかもしれませんね。
当時、この村では都市開発の工事期限も迫ってきていました。
でも、村を訪れておじさんのアートの美しさに魅せられた人々は「村を救おう」「村を守ろう」という嘆願を台中市政府に出したんです。
結果、台中市市長は村の取り壊しを中止し、公園として保留することを決定。
虹おじさんのアートは村を救ったのです!
2016年現在、おじさんは95歳になりますけれど毎日、絵を描き続けているそうです。
こういう類似事例は世界中にも沢山あると思いますが、美しいもの感動を与える物は人の心に響くということですよね。
そして、都市の発展も変化もみんな人の心に左右されていく部分があるということです。
NMB48の曲「ドリアン少年」のロケ地も実は「虹の村」なんですよ~
知っていましたか??
「虹の村」成功事例がきっかけとなり、今では他の地域でもアートイベントが開催されています。
調べてみると面白い発見があるかも!?
「虹の村」彩虹脊村への行き方(アクセス方法)
「虹の村」がある彩虹脊村は台中市にあります。
台中は残念ながら、交通アクセスが台北と比べるとあまりよくないです。
アクセスするには、主要駅からバスかタクシーを使うしかない。
タクシーなら目的地を運転手さんに伝えれば済むので問題はないでしょう。
問題はバスですね。
最寄バス停は「彩虹眷村(嶺東南路)」
台湾鉄路(在来線)台中駅、台湾高速鉄路(新幹線)台中駅のどちらからもバスは出ていますが、台湾旅行が初めてという人はタクシーを利用するのが無難です。
というか、ツアーのほうがいいかも。。。
実は興味深いアートな台湾観光スポット色々
私、リンちゃんの台湾アートお勧めスポットを紹介したいと思います。
先ほど紹介した虹の村も素晴らしいですけれど、他にもアートな街があるんですよね。
意外とみんな知らないかもしれません。
嘉義布袋好美里の3Dアート
漁業が主要産業の地域です。
アートは「ご当地の特色」というものをよく表現できていると思います。
残念なのは交通の便が悪いこと・・・
好美里行きのバスはありませんので、車かタクシーでしか行けないのです。
他の地域でもありそうと思うでしょ?
でも、何でここ(こんな町)にあるの??っていうギャップが面白いんです。
亀ちゃんはすごくよく描けていますよね。
台南新光里關廟アート村(名物:パイナップル)
ここは農村の四季を彩る雰囲気が溢れた絵をたくさん飾っています。
残念なのは同じく交通が不便で、公共交通機関がないんです(涙
こんな感じでーす(^^)
私は都会より地方の方が好きです。
古い町を歩いたら心も落ち着くのです。
私のように、騒がしい都市部ではなくゆったりと時間の流れを感じることができる田舎好きな人たちが、こうした過疎地域をこれからも色々な形で救う事ができるようになれたらいいなぁと思います。
休日には台湾の田舎アート、あなたもいかがでしょうか?
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