台湾で部品加工の協力会社(工場)を探す時のポイント

ものづくり

こんにちは!

鑫嘉豐實業有限公司(HCF株式会社)のりんです。

rin-maru

 

私は、台湾で日本の部品加工、ものづくりにおいて、お客様の要望に応えられるべく日々台湾で協力会社を探したり、品質管理等のマネジメントをしています。

 

 

日本のお客様へ部品加工で貢献するためには、相応に対応できる台湾の協力会社が必要になりますが、その協力会社を探すのは非常に大変であり体力がいります。

これは、日本でも同じ事が言えますね。

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今回は、実際に私(鑫嘉豐實業有限公司)が台湾で活動しているときに意識していることや、考えなどをまとめてみようかと思います。

 

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日本と台湾の間で協力工場探しや、マネジメントをすることに対する意義とは?

りんちゃん(鑫嘉豐實業有限公司)の仕事内容は日本のお客様から受けた注文を適切な工場に加工をお願いすることです。

概略図化してみると、こんな感じです。

 

shikumi

 

 

一見に簡単そうなことでも、毎日苦戦してます(汗)

 

インターネットの発達と普及により、世界中が段々1つの国になってる気がしませんか?

インターネットで検索したら、どんな情報でも手に入るだろうと思いませんか?

 

「うんうん、そう思うわ!」

 

って言うあなたに質問です。

でしたら、なんで中間管理者(商社)が必要なのでしょうか?

 

直接取引したらいいでしょう?ということは、私もよく自問自答しています(汗)

 

 

日本の顧客と台湾の加工屋さんの間で自分は何ができるのか、その役割と意味は何だろうか。

どうしたら、みんなさんの役に立つのか。

などなど日々の仕事で答えを見つけるべく頑張ってます。

 

 

私も日本に留学した後、日本の商社で仕事をしていました。

商社って会社と会社の間で仕事の管理をするというイメージしかありませんし、実際にものづくりの世界では商社を”中抜き”しようとする動きも一部ではあるようです。

 

かつては、商社も大きなマージンによって利益を取ることもできていましたが、情報網が発達したために、メーカーによる値下げ交渉が激しくなり、加工価格の相場の崩れが起きている状況でもあります。

そうすると、商社も以前のように多大な利益を得ることが難しくなりますよね。

 

だからといって、商社の市場が無くなるとは私は思っていません。

商社にも、良い企業とそうでない企業があるはず。

 

「良い仕事をしている」と認めてもらえるようにすることが今は私の最重要課題であるのです。

その中身は?と問われると、暗中模索かもしれませんが、動いているうちに徐々に見つかると思っています。

そこは、お客様からの要望をまとめて消化していくしかないですね・・・

 

 

台湾で金属部品加工の協力会社探しをする時に一番大事なことは「技術、値段、観念、誠実、やる気」です!

やる気

今はインターネットがあるし、何だかんだと言っても加工屋探しはいけるっしょ!

と安易に思ったら大間違い!!

 

台湾の中小規模の加工屋さんはものすごく多くて、しかもほとんどがホームページを持っていません。

旋盤2台でやってるところも少なくないですよ。

この辺りは日本の東大阪などの零細町工場と同じかもしれません。

 

 

私が主に実践している新規開拓は3つの方法

  • 法人団体から優良企業の紹介(金属研究センターのような組織)
  • 信頼できる会社からの紹介
  • とにかく工業団地に回る(飛び込み訪問)

 

協力会社を探すのは大変ですが、この先どうやって長い付き合いできるのか一番難しいと思います。

多分「この小娘は何しに来たの?」

「加工のこと知らないだろう」

「道迷ったの?」

って思っちゃうでしょう| `Д´|ノこらぁ!

 

よほど、ここしかできないよっていう専門が問われる仕事以外においては、小ロット(単品もの)に対応してほしいとか、短納期に対応できないとダメでしょう?

う~ん・・・日本の会社はかなり厳そうだわぁってビビる加工屋さんもいます。

 

それを1つ1つ解決しにいきましょう。(これが私の仕事)

 

 

そうした不安は日本と台湾双方にあります。

発注する側も受注する側もです。

でも、台湾の企業が「技術、値段、観念、誠実、やる気」といった事を無視して「できる。できる」で仕事を受けた時は一番危険。

 

実際にそういう会社もありますからね(みんな仕事は欲しいので)

その後の信用問題にもなりかねません。

最も得るのが難しく、最も容易く崩れてしまうもの『信頼関係』の原則を守るために必要なこと
私たちは、台湾と日本の「ものづくり」の架け橋になるべく、常にお互いの協力会社が成長できるように奮闘し続けています。 日本のお客様に部品加工というジャンルにおいて、台湾でお手伝いができ相互にwin-win(ウィン - ウィン)関...

ですから、マネジメントする必要があるのです。

 

 

台湾の加工屋に行った時にチェックしている事

初めての会社訪問の時は、検査室と検査設備をチェックしまーす。ハイ、ココ重要!!

検査設備が完備してることで分かるのは

  • 測定の価値が分かる会社ですね。
  • りんちゃんのお守り(検査票のこと)がもらえます。

 

中小規模の会社は加工機械と検査設備のどちらに投資しますか?と選択を迫られたとき、絶対に生産力がある加工機を買うでしょう。

測定機は高いし検査するだけではお金を生みません。

ですから、なかなか買えない会社が多いです。

 

なので、検査設備をそろえている会社はとにかく★1つ付きます。

 

工場から作ってきたものの良さを一番証明しやすいのは測定という手段でもあり、そこまで考えてる会社はある程度成熟してると考えられます。

付加価値だとまで評価できるかどうかはわかりませんが、納品時に検査票付であれば、ひとまずはお客様でも一安心でしょう。

 

 

次は現場を見ます。(何を見ると思いますか?)

 

 

  • 作業員の動き

ゆっくり?走らない?

仕事の様子を見たら、妙にモノの品質が分かる気がしません?

 

余裕でやってるまではないけど、焦らずに物事を一歩一歩着実にやってる現場を見たら、自身の責任を感じながら加工してるだろうって思いません!!(考えすぎかな)(´・ω・`)

 

 

  • 工具の管理

論語にある一言です。

「工欲善其事,必先利其器」

 

ごめんなさいね。

台湾語で例を出しちゃいました(^^)

伝えたいことは「良い仕事をしようと思ったら、必ず先その道具を磨いて鋭利にするように」ということです。

 

細かいことの積み重ねは全て結果に反映されるでしょう。

特に1つの加工は何十回という色々な加工を経て出来上がった結果でしょう。

 

あ~ものづくりって深いなぁ!!惚れる~

話がちょっとずれてますね。ごめんごめん。

 

ということで、現場で毎日使うものをキレイに管理されることで、作業の効率も分かるということですね。

工具探しに時間掛ける作業現場を見たらちょっと心配(@_@)

 

 

 

  • 加工設備を見ます。

旋盤とフライスは基本ですね。

次は研磨機が置いてるかどうかの違いにより、納期を縮める鍵となります。

 

実は、台湾では研磨工程を外注に出すと日本とは比べ物にならないくらい時間かかります。

(少なくとも私が管理する協力会社での共通事項)

 

研磨機が置いてない会社はその工程を外注に頼むので、納期が把握しにくいです。

なるほど~って思いました?

 

ワイヤーや放電設備を持ってる会社は加工賃が日本ほど実は高くありません。

全部自社で加工するからだもん~っていうか、やっぱり人件費が違う?

 

設備のストロークや性能を見たら、とんな仕事を任せたらいいだろうかと判断できますね。

あとは、クレーンがないとワークの大きさも限られるし、重量があると輸送の問題(納期)もありますので・・・

 

 

後は実際に加工屋さんの担当の方と話してみて判ることもあります。

 

その1、穏やかな方は納期が早い(何それ!)

今協力して頂いてる加工屋さんからの経験ですが、担当者が穏やかな会社ほど納期が早い、品質もGOOD!

熱処理なしの加工で3日完成できちゃう会社です。

 

まあ、経験あり→自信持ち→話のスピードが遅くなる???という進化なんでしょうか。

(まだまだ検証中です)

 

 

その2、会社全体の雰囲気が分かる

トラブルがあったら外注や作業員のせいにするのは×です。(最悪)

 

将来的に長く付き合いたい会社は必ず誠実であり、責任感を持ってる会社です。

ここが重要!!

 

例えば、加工する時、たまには仕方がないミスとかトラブルが発生したら、担当者がいつ報告するのか、次はどう対応するのか、それは会社の日々の教育に反映されるでしょう。

管理職の態度で社員に大きな影響を与えてます。

 

「日本の仕事をやってるよ!」と言えることは台湾の加工屋さんが同業他社に自慢できることです。

(本当)

 

日本の注文をやる気満々の会社はいっぱいあります。

でも~やる気だけじゃお客さんに満足できる品質が出せないでしょうって、口が酸っぱくなるくらい言っているのが私(笑)

だから、もしかするとイヤ~な目の上のたんこぶみたいになってるかも・・・

 

 

今後の日本と台湾のものづくりの架け橋になるための課題

新規開拓を始め、日本と台湾の観念を良く理解し、日本の基準をキチンと加工屋さんに教育していくことが私の務めであり努め。

そして、このブログをも介して台湾の現状も日本に知ってもらえることも望んでいます。

 

台湾の加工屋さんに興味を持ってもらえるみんなさんにとって「当たり前」と思ってることを私もどんどん吸収して拡散していきたいですね。

 

また、日本の加工技術はスゴイ、台湾もスゴイですよって世界中に伝えたいですね。

(ーー)

以上が私の新規開拓についての話です~

 

ご覧になった方はご感想・アドバイスを頂ければ嬉しいです。

コメント

  1. 礒山保男 より:

    サプライヤーを検索しておりまして御社が目に留まりました。
    弊社、医療器械メーカーの下請け会社でございます。日本における品質基準とエンドユーザーへの納入価格が反比例している現状、日本国内工場での受け入れが大変厳しくなっております。アルミ部品加工小ロット会社、ステンレス鋼材加工の手術用極小ピンセット、ハサミ加工会社を検索しております。

    • akihiko より:

      磯山 様
      私が知っている台湾企業の中には医療機器関係の部品(ステンレスやチタン、アルミなど)を加工している会社はありますが、ステンレス製の手術用ピンセットやハサミを加工しているところは存じ上げません。申し訳ないです。探すお時間を頂けるのであれば、現地スタッフに指示をすることは可能ですが見つかるかどうかは分かりません。
      現在、価格の面でご苦労なさっていると見受けられますが、決して台湾製だから安いとも限りませんし思いのほか安価であることも然りです。
      こればかりは問い合わせをしてみないと分かりません。
      もし、図面等がございましたら弊社宛にメールで添付くだされば検討はさせていただきます。

  2. こう より:

    始めまして。
    私は日本のハーフで現在台湾の商社で日本メーカー様向けの営業をしております。
    よく日本のお取引様から見積もりが遅いと注意をされます。
    ピストンやギアなどの部品の見積もり提出には大体7-10日間かかります。
    これは妥当な日数なのでしょうか?
    もちろん寸法や制度によって日数は変化するのでしょうが、貴社ではどのくらいなのか
    教えてほしいです。
    宜しくお願いいたします。

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