あなたの家の宗教は何ですか?
そう聞かれて私達日本人は ”とりあえず” 仏教みたいな返事があるほどに、宗教への固執は薄い。
元々、日本の民族は八百万の神様を信仰する歴史があったということは周知のこと。
仏教を信仰していると言うくせに、神社・寺・教会のどこでも行けてしまうし、仏教のことだって自分の家の宗派は誰が開祖かさえも知らないことだってある。
ま、それでも平和だからいいけどね。
では、台湾ではどうだろうか?
台湾で主に信仰されているのは仏教と道教。
この2つの信仰が台湾全体の9割を占めます。
その内、今回注目したいのは道教の神様。
台湾に行くと祠廟(しびょう)という神様が祭られた社が沢山あります。
そこに祀られた最も信仰が厚い神様が
媽祖(まそ)
さて、この神様は一体・・・
そして、何故台湾で厚く信仰されているのでしょうか?
媽祖(まそ)の信仰ルーツは台湾の成り立ちによる
タイトルにもあるように、媽祖(まそ)は海の神様です。
勘の鋭い人なら「なるほど!」と言うかもしれませんが、台湾文化は海と切り離すことができません。
そもそも、台湾に現在住んでいる人達の祖先はどこからやってきた?
そう、大陸(中国)ですね。
特に福建省南部からの移民がたくさんの人の祖先になっているのです。
もちろん、元々台湾に住んでいた原住民もいますが、現在の人口構成は移民との混合。
元々、媽祖(まそ)は海の神として、航海や漁においてご利益があると信仰されていたのです。
中国本土から台湾に移住するためには海を渡らないといけません。
なので、媽祖(まそ)に強く航海の無事を祈ったとされます。
無事に台湾に到着すると「有難うございます」と感謝の意味を込めてより媽祖(まそ)を丁重に崇拝するようになったのが、現在、台湾で多くの人が媽祖(まそ)を信仰する始まりでもあるのです。
台湾で最も古い媽祖(まそ)を祀る祠廟(しびょう)古宮
現在、台湾にある最古の媽祖廟(まそびょう)は大天后宮(台南市)です。
国家一級古跡に指定されているほどの建物。
※ここで指す「廟」とは、神を祀る社のことです。
所在地: 台南市永福路二段227巷18号
ここは、元々が海の入り口だったこともあり、かつて台湾を統治したオランダや日本の政府の中心地でもあったのです。
側には統治の歴史を刻む赤崁楼(せきかんろう)もあります。

台南市は移民が最初に入ってきて、最初に住みついた地でもあり、そこに建立された媽祖廟(まそびょう)が最古なのです。
大天后宮が建てられたのは1664年の明朝時代です。
そこから、時代を経て1818年に一度火災によって建物も文物も焼失してしまいました。
しばらくした後、1830年に再建されて現在の姿となっています。
大天后宮のパンフレットはこちら。
実際に訪れてみれば初めてわかる、日本の寺院との違い。
カラフルです♪
そこには、宮大工?の建築技術が集結されているんだろうなぁって感じてしまいます。
大天后宮は繰り返しますが、媽祖という道教の女神が祭られています。
ただ、元々は海の神様ですけれど、願い事を叶える力が強い神様だ!とみんなが思うようになったことから信仰も変化を遂げ、今や縁結びの神様としても信仰されているので、あなたも台湾を訪れたなら国家一級古跡級のご利益をもらいに行きますか?
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